南米の国ウルグアイから、「オパ(OPA)」というバンドをご紹介します。

オパは、キーボードを担当するウーゴ・ファットルーソ(Hugo Fattoruso)と、ドラムのジョージ・ファットルーソの兄弟に、ベーシのリンゴ・シールマンを加えたトリオです。

OPA

わたしが初めてオパに出会ったのは1977年、フローラ・プリムのソロ・アルバム「Nothing Will Be As It Was …Tomorrow」でした。

フローラ・プリムはチック・コリアなどとも共演したブラジルのジャズ/フュージョン界の女性シンガー。オパはこのアルバムに「Corre Nina(コレ・ニーニャ)」という曲を提供したばかりか、全員で演奏にも参加し大活躍だったんです。

それでは聴いてみて下さい。とにかくものすごいんですから!:

基本的には、ブラジリアンなサンバ的リズムをベースにしていますが、より鋭角的にグイグイ引っ張って行きます。その上に乗っかるのが、とてつもなく高度に洗練された曲構成とテクスチャーです。

白眉はウーゴ・ファットルーソのキーボード。

エレクトリック・ピアノに加え、アープ・シンセサイザー、フリーマン・シンフォナイザーなどの電子楽器を生き物のように自由自在にあやつり、押したり引いたり、息をひそめたり緩急自在。まさに「有機的」という言葉がふさわしいめくるめくようなパフォーマンスです。当時、「こんなにすごいキーボード・プレイヤーがいたのか!」と驚嘆したのを良く覚えています。

ということで、オパはブラジルのバンドと思い込んでいたのですが、なんとウルグアイ出身ということをあとで知りました。ウルグアイにこんな凄い奴らがいたんだ!(ブラジル人のフローラ・プリムも、この曲だけはポルトガル語でなくスペイン語で歌っています。)

さて、オパは1976年、自分たちだけのアルバム「ゴールデン・ウィングス」をリリースします。

これこそ、オパがその持てる力をすべて出し切った傑作。

『コレ・ニーニャ』のバージョン違いも収められており、なかなか強力ですが、もっと素晴らしいのが『ピーセズ / Pieces』という5分間の組曲です。叙情性に富む表現力に満ちあふれ、当時の欧米の最先端なジャズ/フュージョンをもしのぐ洗練の極みがここに実現していると思います。

ぜひ聞いて下さい:

70年代の初め、ニューヨークのレストランに出稼ぎバンドとして出演していたところを、ブラジル音楽界の大御所アイアート・モレイラ(フローラ・プリムのご主人)に見出されたオパ。彼のソロ・アルバム『フィンガース(1973年)』でプレイしたのが、世に出るきっかけとなりました。ということで、この「ゴールデンウィングス」は、恩人アイアートのプロデュースによるもので、パーカッションでも応援してくれています。

「ゴールデン・ウィングス」は長らくCD化されず困っていたのですが、1997年に突然発売され狂喜乱舞いたしました。復刻のきっかけになったのは、日本のクラブでオパの曲がリミックスされ人気を呼んからだそう。どなたかリミックス盤をご存知でしょうか?

オパはその後、もう1枚のアルバム『マジック・タイム』をリリースして以降、徐々に終息して行ってしまいます。ウーゴはデオダードのアルバムで客演したり活動を継続。今では、3人とも故国ウルグアイを中心にそれぞれ音楽活動をしているようです。

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