<久我の100曲> 『ピープル』バーブラ・ストライサンド

DIVA(歌姫)の女王」とまで讃えられるバーブラ・ストライサンド。その60年を超えるキャリアは、まさに輝かしいのひとことです。

彼女が大きく飛躍するきっかけとなったのが、ブロードウェイ・ミュージカルの『ファニー・ガール』。

舞台の主役に抜擢され、1968年には同映画に出演。アカデミー主演女優賞を獲得するなど、これをきっかけに、バーブラは一気にスーパースターへの階段を登って行きました。

ピープル People』は、その代表的な劇中歌です。

同曲をフィーチャーしたアルバムは、彼女にとって初の全米ナンバー・ワンにも輝きました。

ぜひ、お聞きください:

わたしがこの曲を好きな理由は、なによりも、その素晴らしい「歌詞」に惚れ込んでしまったからです。

大切に想える人がいることこそ幸せ」というその愛のメッセージ。

邦訳してみました:

ピープル(人たち)

自分以外の、誰かほかの「人たち」を必要と思えるということ
それは、この世で一番幸せなことなのです
子供がほかの子供と遊ぶように
誰もが、自分以外の誰かほかの人を必要としています
でも、プライドが邪魔をして、自分の素直な気持ちを隠してしまいがち
それって、一層、子供っぽいことかもしれませんね

「恋人たち」こそ特別な「人たち」。世界中で一番幸せな人たちです
だって、たった一人の特別な相手に向かって
心の底から「あなたはわたしのすべて」なんて言うことができるんです
今のあなたは、飢えも渇きも感じないかもしれないけれど
それより、もっと大切なことは
「人を求めることのできる人になること」
だって、そういう人こそが、世界中で一番幸せになれるのですから

People
People who need people
Are the luckiest people in the world
We’re children, needing other children
And yet letting a grown-up pride
Hide all the need inside
Acting more like children than children

Lovers, very special people
They’re the luckiest people in the world
With one person One very special person
A feeling deep in your soul
Says you were half now you’re whole

No more hunger and thirst
But first be a person who needs people
People who need people
Are the luckiest people in the world
(Music by Jule Styne, Lyrics by Bob Merrill)

わたくしは、この曲を聴くたびに、その愛のメッセージが心に突き刺さり、涙してしまいます。「長いあいだ、心から大切な人でいてくれて本当にありがとう」と。この曲を、我が妻に贈ります・・・。

バーブラ・ストライサンドは、これまでにグラミー賞ノミネート43回、受賞8回。ビルボード・アルバム 200に11回チャート入りと、女性アーティストとしては歴代最多。

彼女の歌の、一体なにが、それほどまでに人々を魅了するのでしょう?

それは、もちろんその信じられないようなヴォーカル・テクニックによるところ大ですが、なにより、それぞれの楽曲が持つメッセージ、そしてその魂(スピリッツ)を、とことん自分自身のものとし、聞き手にまちがいなく届けるという、その大きな意味での歌唱力が巨大、ということなのだと思います。

まさに不世出なアーティスト、バーブラ・ストライサンド。貴女の栄光は、永遠に不滅です。

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