ジェネシス:ピーター・ガブリエル時代のライブ映像と音源をまとめました

ジェネシスはピーター・ガブリエルの在籍した時代に限る」というのが筆者の結論。それは1969年から1975年まで。その間ジェネシスは、複数の傑作アルバムを生み出したのに加え、多くの伝説的ライブ・パフォーマンスを残して行きました。

一度もそのライブに触れることができなかった筆者は、とても残念な気持ちでいっぱいです。せめて当時の映像をと、長年、八方手を尽くし探して来ましたが、なかなか満足の行くものは手に入りませんでした。

ところが近年、YouTubeでかなり高品位な画像処理が施されたビデオや、リマスターCD音源などが発掘されつつあり、本当にうれしい限りです。

ということで今回は、それらの質の高いコンテンツを選んで、まとめてお届けしようと思った次第。

それでは、当時のジェネシスのライブといえば、まずこの曲から始まります。『ウォッチャー・オブ・ザ・スカイズ』。1974年1月25日、アメリカのテレビ番組「ミッドナイト・スペシャル」にて。ピーター・ガブリエルのこのビジュアルに、みんなさぞや度肝を抜かれたことでしょう。最新技術による、極めて鮮明な画像です:

同番組より、これも当時の定番ナンバー『ミュージカル・ボックス』。終盤、ピーターは奇怪な老人に扮し、これまた場内を唖然とさせます:

次は1973年1月10日 。パリバタクラン劇場でのステージ。当時の定番メニュー4曲(下記)が33分とコンパクトにまとめられています。50周年4Kバージョン:

  • ミュージカル・ボックス
  • サパーズ・レディ
  • リターン・オブ・ザ・ジャイアント・ホグウィード
  • ザ・ナイフ

当時、ジェネシスのライブの中心だったのはこの曲『サパーズ・レディ』でした。全長24分の超大作をフルに再現した1974年の映像。あのお花畑男箱男に扮したピーターを、各メンバーの高い演奏能力で支えます。4Kリマスター:

さて、当時のジェネシスの最高傑作と言って良いのが、1973年のアルバム『月影の騎士』(▶️同アルバムについてはこちら)。そのタイトル曲を、ピーター・ガブリエルは「騎士」になり切って歌います。1973年ロンドン、シェパートン・スタジオでのステージ。これも、音、映像共にリマスター処理済:

同アルバムから、ジェネシスとしては大ヒットした(?)この曲、『I Know What I Like』。ここでのピーターは、お百姓さんになって芝刈り機を掛けたりしています:

そして、発掘映像の最後は、あの問題作『眩惑のブロードウェイ』より。

舞台をニューヨークに移し、プエルトリコ人の少年が眩惑の世界を彷徨うという壮大なスペクタクル。ジェネシスは、このアルバムをフィーチャーしたワールド・ツアーもこなしたのですが、なぜかオフィシャルな映像は一つも存在しておりません。筆者は、何年も捜索活動を続けたのですが、本当に無い!。当時の、8ミリ・フィルムの隠し撮りの断片を繋ぎ合わせたような映像があるのみで、その中ではコレが一番頑張っているかも。努力賞!これにてピーター・ガブリエルはジェネシスを脱退してしまいます:

あまりにも残念なので、こんな映像も。

ソロ活動を開始したピーター・ガブリエルが、自分のコンサートで「ラム」を歌います。1978年。ジェネシスの舞台も、こんな感じだったのでしょうか。

さて、当時のライブCD音源としては、長らく、この『ジェネシス・ライブ』のみがオフィシャル盤として存在しておりました。1973年2月24日、英国マンチェスターでのステージ。

そこで、先ごろ発表され、ちょっと驚いたのがこのCD。上記のマンチェスター公演の翌日、1973年2月25日にレスターで行われたステージの模様なんです。

もちろん二日間とも、セットリストは同じ。つまり、

  1. ウォッチャー・オブ・ザ・スカイズ
  2. ミュージカル・ボックス
  3. ゲッテム・アウト・バイ・フライデイ
  4. サパーズ・レディ
  5. ザ・ナイフ

但し重要なのは、上記の『ジェネシス・ライブ』では『サパーズ・レディ』がカットされていたのに、このCDでは復活し、フル・ステージの模様が収められているところ。どちらの公演もラジオ放送用にプロ録音されたので、音質に遜色はありません。この完全盤は、他にもブートレッグやアーカイブ盤で聴くことも可能でしたが、この音質で、しっかりリリースされたということで、注目です。

そして、同じ時期に発売されたのがこのCD:

1972年3月20日、ベルギー、ブリュッセルでテレビ出演した際の音源(4曲)と、上記パリ、バタクラン劇場での音源(4曲)をカップリング。これも、かつてブートで出回っていた内容ですが、最新リマスター処理がなされているので、サウンドは良いです(この「Alive The Live」というレーベルは、ジェネシスに限らず、最近どんどん復刻モノを出してますね ▶️こちらです)。

「眩惑のブロードウェイ」だって、ライブCDならありますよ。これは1975年1月24日。ロサンゼルス、シュライン・オーディトリアム。ジェネシスは、「ブロードウェイ」を丸ごと全部やってしまいます。それに、アンコールの「ウォッチャー」と「ミュージカル・ボックス」まで入った完全盤。ラジオ放送用のプロ・レコーディングで、サウンドも良いです。

ということで、これにてなんとか、あの幻のピーター・ガブリエル時代のジェネシスの思い出に、これからも浸っていくことはできそうです。

 

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