筋金入りのアップル狂の久我としては、「iPod/iPhone」を中心になんとか高音質で音楽を楽しみたいと、常に試行錯誤を続けております。
そんなわたくしも、最近のいわゆる「ハイレゾ・ブーム」はとっても気になっていました。
「ハイレゾ」とは「ハイ・レゾリューション・オーディオ」のこと。通常iTunesなどで聞くCDやMP3などの「圧縮音源」を大きく上回るハイ・スペック(例えば24bit/192khzやDSD)で、高音質を追求するというもの。
これに対しアップルは、今までほとんど関心を示してこなかったように見えます。
そもそもiPod/iTunesがもたらした「革命」は、「CDなんか買うことはない。MP3のダウンロードで充分なんじゃないか」ということだったので、アップルにとっては、むしろ「ハイレゾ」なんていうものには真逆の方向にあるとも言えます。その思想は製品を見れば明らかで、iPodがどんなに進化しても、アップルが「音質」ということにフォーカスした形跡はほとんどありません(個別には、それ相応に改善して来ていますけれど)。
ここに本格的に殴り込みを掛けて来たのがSONYです。
かつてウォークマンで世界を席巻したSONYも、iPodにすっかり逆転されて日陰者になってしまっていました。会社自体の業績も悪く、ウォークマンどころじゃなかったのかもしれません。
しかし、ここへ来てSONYがまたガンバリ出して来た感じがします。
特に、「ハイレゾ」に対する取組みにはSONYの久々の本気度が感じられ、とてもエキサイティングです(⇒SONYのハイレゾについてはこちらから)。ハイレゾ対応のアンプやヘッドホンに加え、今回新登場したのが、「ハイレゾ対応ウォークマン」。
細かいスペック等は<こちらの情報にゆずります>が、要は、今までのポータブルなウォークマンでは考えられないような高音質を可能にしているということです。
従来、iPodへのライバル意識から、アップルの製品との連携は拒否して来たようなSONYですが、その点でも、Apple Losslessフォーマットで読み込めるようにするなど、大きな歩み寄りが見られます。
久我は早速飛びつきました。商品は「ウォークマンNW-F887(64GB)」。
ところが、早速使用してみて、すぐ大きな問題に直面しました・・・。
アップルのパソコン(MacやPowerBookなど)と連携し、iTunesのライブラリーから音楽を取り込もうとすると、これが全然うまく行かないんです。SONYでは、今回あらたに「コンテンツ・トランスファー」というアプリを作成し、アップル製品と新ウォークマンを連動できるようにしたのですが、これがまだ発展途上なのか、iTunesのファイルの読み込みに恐ろしく時間がかかるんです。例えばApple Losslessのファイルだと、30分で10曲も転送できないような感じです。これでは、64GB入れるのに、一晩以上かかっちゃいます。ライブラリーを頻繁に入れ替えるなんていうことも難しくなります。
残念ながら、これでは無理・・・。
問題は、iTunesでアルバム毎に読み込んでいる「アルバム・カバー・アート」がSONYの仕様に合わないため、これを一曲毎に変換しているからのようなんですけれど、何とかしない限り、実用にはほど遠いと思います。
ということで、久我は早々に売却を決断せざるを得ませんでした・・・。
それでも、SONYの心意気は大いに前向きに評価できるので、これからも注目して行きましょう。また、アップルの方でも、少しは「ハイレゾ」という動きに敏感に反応して、それなりに「プロ向き」の製品作りにも目覚めて欲しいものです。
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