成毛眞先生の本は全部読みます。
今度のテーマは『amazon』。
既に、ベストセラーのようで、成毛先生も、ご自身のFacebookで、その手応えをよろこんでおられます。
もはや、誰もそれなしには過ごすことができないほど、我々の社会・生活に浸透してしまったamazon。しかし、その全体像は意外なほどに知られていない。
成毛先生は、このamazonの全貌を、なるべく多くの人に、なるべく分かりやす伝えるために、本書を執筆。まさに「amazon 理解の決定版」をめざすという、その狙いは、見事に成立しています。
ただ、成毛眞先生の絶対的な信奉者たる久我としましては、今回だけは、先生の意図にちょっとうなずけないものを感じてしまいました。
この本は解説本としては、完璧です。
ただ、そこで触れられている情報自体は、AWSにしても、CCCにしても、過去の出版物、例えば「東洋経済」や「ダイヤモンド」等々などでもずいぶん採り上げられてきたもので、それほどの目新しさはありません。amazonに関する断片的な情報を「総合する」という意味では、極めてすぐれていると思うのですが、あくまで「百科全書的」な価値と言いましょうか。
成毛先生の、いつもの鋭い切り口や、思いもつかなかった視座の提供といういうものは、ここには一切ありません。
うがった見方をしてしまうと、先生は、さらに著述家としてのメインストリームにおどり出る決意をなされたのか????
もちろん、成毛先生としては、そんな反論は先刻ご承知で、「だから、君らのような聞きかじりの連中でなく、本当に一般の人たちに、あくまでも分かりやすく全体が分かるような解説本を書いたんだ。帰れ!」と怒られてしまいそうです・・・。
申し訳ありません・・・・・・。
ただ、この次は、先生特有の「エッジの効いたやつ」を、またよろしくお願いいたします。
それにしてもamazonは、岩井克人氏が、「企業による革新が差異を作り出す意味」、すなわち「未来という遠隔地にいち早く乗り込むことによって未来と現在とのあいだの生産費用や輸送時間や製品価格の差異を先取りしてしまう試み(『資本主義を語る』講談社)」そのものなんだということを、あらためて痛感いたしました。
恐るべし、amazon!
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