ブランド Xの旧作がリマスターというので、迷ったすえ『異常行為』だけ購入しました。
久我の知る限り、ブランド Xがリマスターされたのは今回が初めてなので、そういう意味では「待望」なのですが、迷ったのはこれが「どうせ日本人による日本だけの独特のリマスター」だろうと思ったからです。
良く見ると、「オリジナル・アナログマスターからの2014年フラット・トランスファー音源」とありますが:
- 英国カリスマのオリジナル・アナログ・マスターテープからということなら評価できますけれど、恐らく1976年、当初LP販売時に日本盤製作のため送られた第二世代のコピー・テープを使ったんじゃないでしょうか?だったら興ざめ・・・。
- 最近フラット・トランスファーというのを有り難がる傾向がありますが、これも疑問。マスターに全く手を加えず、そのままフラットに取り込むという手法が、そもそもアーティストの想定するものなのかどうか?LPであればカッティング、CDであればマスタリング等の最終プロセスを専門のエンジニアが手掛け、最終音源を想定しながらアーティストは作品を作るのではないでしょうか?つまりフラット・トランスファーというのは「尻切れとんぼ」ではないか?という意味なのですが(この辺あまり詳しくありません。どなたかご教示を!)
- このCDも他の「日本人によるリマスター」同様、誰がどこでリマスタリング処理を行なったのか、どこにも書いてありません。海外リマスターではあり得ないことなのですが、日本のメーカーではなぜこういう無責任なことになっちゃうのでしょう?
以上、多々疑問はあるものの、なにしろ初めてのブランド Xのリマスターということで、大名盤の『異常行為/Unorthodox Behaviour』を渋々購入しました。¥2,880(税込)。
早速、1989年の当初CDと聞き比べましたが、ひとことで言って「あまり変わっていない」という印象です。いい意味でも悪い意味でも・・・。
音圧は多少上がっていますが、詰め込んだ感じは皆無で良心的。フラット・トランスファーの特性と言えるのか、全体の音像は以前のものより多少クリアーになった感じがします。ただ、いずれにしても変化は限られていますので、よほどのブランド Xファンでない限り、わざわざ買い直す必要は無いのではないかと思われます。
それでは最後に、同アルバムの冒頭を飾る『ニュークリア・バーン』をお聞きください。
久我はこの一曲でフィル・コリンズのドラミングに完全にノック・アウト。ひょっとして史上最高のドラマーはフィルなんではないかと確信した次第です。
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