イーロン・マスクの勧める『歴史の大局を見渡す』を読む

天才読書」ということで、イーロン・マスクの読んできた本をご紹介しましたが(⇨こちらです)、その中の一冊がコレ。

歴史家のデュラント夫妻が書いた『歴史の大局を見渡す』。

歴史から学べるレッスン」ということで13のエッセイにまとめたもので、全170ページ程度と薄く、読みやすい本です。

ただそこには、夫妻が生涯を掛けて取り組んだ歴史研究、特にその結晶である『文明の物語』全11巻(1975年刊行)のすべてが凝縮されており、大変中身の濃い、示唆にあふれるものとなっています。

例えば、その鋭い見方をいくつかあげます:

  • 戦争は国にとって食べるための手段
  • 経済力が平均以下の者だけが平等を求め、自分の優れた能力に気がついている者は自由を求める
  • 南が文明を創る、北が南を征服して文明を破壊する。北は南から採り入れた文明を広める
  • 歴史は大きくとらえると、少数者の争いである。多数者は勝者を称え、社会実験の実験台となる
  • 宗教のおかげで止めるものは貧しき者に殺されずに済む。宗教が衰退すると共産主義が台頭する
  • ほぼすべての社会で実務的な能力の大半が少数の人々に集中している、能力が集中すると、富の集中が生じ、歴史の中でもこれが繰り返し起きる。そして、最大の自由を認める民主制はこの集中を加速する
  • 独裁政治は民主主義から生まれる。専制と隷属の極みが、自由の極みから生まれる。言葉巧みに国民に安心を約束する人物に独裁への道が開かれるだろう
  • 世界秩序は紳士協定から生まれたりはしない。大国が決定的な勝利を収めて権力を手にし、国際法を押しつけるのだ
  • 文明が衰退するのは、寿命が尽きるわけではなく、政治的リーダーや知的リーダーが変化に伴う問題に対処できないから
  • 創造的な人がいたことを記憶するため、人は歴史を学ぶのだ

いかがでしょうか?こんな本を読みながら、イーロン・マスクは大きな発想を育んでいったのですね。ぜひご一読をお勧めします(⇨『歴史の大局を見渡す』はAmazonで)。

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