ワールド・ミュージックつながりで、今度はフローラ・プリムです。
フローラ・プリムはブラジル出身の女性ジャズ・ヴォーカリスト。夫のパーカション奏者アイアート・モレイラとの夫唱婦随で知られ、中でも1970年代の初頭、共に参加したチック・コリアの「リターン・トゥ・フォーエバー」で世界的に知られるようになります。
この曲『Corre Niña』は、1977年に発売された彼女の7枚目のソロアルバム『Nothing Will Be as It Was… Tomorrow』に収められてます:
「こんな音楽、一度も聞いたことないかも・・・。」
久我は、アマゾンの広大な地平線を得体の知れない猛獣が襲いかかってくるような、この曲のとてつもない雄大さ、躍動感、そしてエネルギーに圧倒され、中南米音楽の底しれなさに、一発で心底参ってしまったのでした。
原曲は、ウルグアイのバンド「OPA」の1976年のデビュー・アルバム『Golden Wings』に収録。
OPAは、キーボードのウーゴ・ファットルーソを中心に結成されたトリオ。ウーゴは、その作曲能力とキーボードの腕前が高く評価され、デオダードと活動したり、祖国ウルグアイを越えて、最近に至るまで活動を続けています(OPAについてはこちらをご覧ください)。
フローラ・プリムは、そのOPAのメンバーを丸ごと連れてきて、ウーゴ・ファットルーソにアレンジも任せ、夫のアイアートのパーカッションもフィーチャーしつつ、この曲を完成させました。
原曲もすごいけど、コレはもっとすごい!
まず、このリズム。基本的にはサンバですが、極度に引き締めらたグルーブで、のんびりした南国風味はどこにもありません。グイグイ、ひたすら押し寄せてまいります。
その上を、歌姫フローラ・プリムが飛翔。母国のポルトガル語でないスペイン語で、少しニュアンスも異なります。
そして、なんと言ってもものすごいのが、ウーゴ・ファットルーソのキーボード!
特に強烈なのがシンセサイザーで、細かい操作を駆使しながら、ほとんど「生き物」のようにオーガニックなサウンドを繰り出しています。テクニック的には、当時の欧米のどんなプレイヤーにも負けない域に達していました。
それ以来、ワールド・ミュージック、特にブラジルをはじめとする中南米の音楽にハマってしまう久我だったのでした・・・。
尚、このアルバム『Nothing Will Be as It Was… Tomorrow』は廃盤で、なぜかダウンロードでも見当たらないのですが、どこかで見かけたらゲットしていただきです。
フローラ・プリムにはたくさんの名曲、名アルバムがありますけれど、まずなんと言っても有名なのは、これでしょうか:
1978年のソロ・アルバム『Everyday, Everynight』も、当時のフュージョン界の大物が多数参加した力作でした。ジャコ・パストリアスが全面的にフィーチャーされたこの曲『The Hope』。ただひたすら感動的です:
フローラ・プリムよ、広大な音楽世界をありがとう!
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