ベルクソンがあまりに難しいので、ギブアップしかけてたら、この本『精神のエネルギー(平凡社ライブラリー)』が入門にベストとのこと。早速挑戦しました。
アンリ・ベルクソンが、多くの論文や講演録の中から代表的なのを自ら選び、コンパクトにまとめたもので、まさに「ベルクソンによるベルクソンの入門書」です。
題目は、「知識と生命」「心と体」「夢」「脳と思考」といった、ベルクソン哲学の中心をなす課題をひととおりカバーしています。
そして、とにかく分かりやすい!
もちろん扱ってるテーマは難解なんですよ。でも、ベルクソンの専門書では一行も分からず意味不明で途方に暮れがちだったのが、かろうじて、何を語っているのか分かるということです。
意外だったのは、ベルクソンが、かなり「スピリチュアル」なものを大切にしていること。科学的、哲学的な論考の合間に、「心霊現象やテレパシー」を肯定したり、「死後の魂の存在」を認めたり、小林秀雄が晩年まで心酔したのも、そういうところが鍵だったんだなと納得したんです。
そんなベルクソンの哲学は、「人間の心臓部に、世界の前ソクラテスかつ<前人間的>意味を回復する」と言われ、単なる屁理屈にまみれた哲学とは、大きく異なる色彩を帯びていることが分かります。
本書の続編とも言える、同様の入門書「思考と動き」も必読だそう。
併せて読めば、ベルクソン哲学の真髄に、だいたい触れることができるんですね、きっと・・・。
「この本」とは何でしょうか? 書名、著者(訳者)、出版社を教えてください。よろしくお願いします。
『精神のエネルギー (平凡社ライブラリー)』です。なぜか書名が抜けておりました。ご指摘ありがとうございます!