「オランダが生んだプログレシブ・ロックの雄」として、テイス・ヴァン・レールとヤン・アッカーマンとの双頭体制を誇っていたフォーカス。
2002年にテイス主導で活動を再開し、若いメンバーで補強しつつ、これまで3枚のアルバムを出すなどなかなか精力的にやっては来ました。
しかし、ヤン・アッカーマンの不在はあまりにも大きく、かつての輝きを期待するのは無理な状況でした。
そんな彼らの2006年のツァーより「イラプション」の映像をご覧ください:
ところが、今回『ゴールデン・オールディーズ』と銘打ってリリースされたニュー・アルバムは、かなり良いです!
その名のとおり、フォーカスのかつての名曲を再現した「セルフ・カバー・アルバム」で、「ホーカス・ポーカス」「フォーカスI & II & III」「シルビア」「ハウス・オブ・ザ・キング」など、フォーカスのファンなら誰でも知ってる曲目が並んでいます。
何しろ一番注目なのは、これらの名曲をほとんどオリジナルそのままに再現していること。新しい味付けや編曲がなされている部分は殆どありません。
特にテイスの頑張りは著しく、あの「ホーカス・ポーカス」の「ヨーデルボイス」を初めとするヴォーカルは、とても66歳とは思えないほどの若々しさで、かつての熱狂ぶりを彷彿させます。
ドラムもフォーカスの正メンバー、ピエール・ファン・デル・リンデン。昔ながらの、ジャズっぽくってちょっと不安定な彼のドラムもフォーカス気分を充分よみがえらせてくれます。
肝心のギターは、2010年からメノ・グーチェスという若いプレイヤーになっているのですが、前アルバムまではヤン・アッカーマンのフレーズを忠実になぞるのがやっとといった感じもありました。しかし、ここでは、かなり堂々と自信を持ってプレイしているんです(それでも、ヤンのあの色気、あの予想もつかないフレーズ展開等には遠く及びませんけれど・・・)。
全体の音像も、空間的なエコー成分の多い当時のニュアンスを生かした音づくりとなっており、これまた懐かしい・・・。
ということで、かつてのフォーカスをかつてのとおり再現したと言えば、「じゃあ、何のために?」って疑問もわきますけれど、結局、無理して新しい作品を作るよりも、「輝かしいフォーカスの歩み」を再現し伝えていくことがファンの望みに一番応えることだってことなんでしょうね。
これを、正に創立メンバーでありフォーカスの歴史そのものであるテイスが行う限り、「自己トリビュート化」なんて悪口では呼ばず、しっかり見守って行きたいって気持ちがしてるんです。
<フォーカス『ゴールデン・オールディーズ』:曲目>
曲目:
01. 悪魔の呪文 (Hocus Pocus)
02. トミー (Tommy)
03. ハウス・オヴ・ザ・キング (House of the King)
04. フォーカス 1 (Focus 1)
05. シルヴィア (Sylvia )
06. フォーカス 3&2 (Focus 3&2)
07. アヤ・ユッピー・ヒッピー・イー (Aya-Yuppie-Hippie-Yee)
08. ニューロティカ (Neurotica)
09. ブラザー (Brother)
10. フォーカス 7 (Focus 7)[日本盤ボーナス・トラック]
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