大好きなドゥービー・ブラザースについては、これまで、日本盤の紙ジャケ・シリーズから、Audio Fidelityの24カラット・ゴールドディスクまで、たくさんのリマスターが発売され、そのたびに買い続けてきたんですけれど、どうも満足するものに出会えませんでした。「ミニット・バイ・ミニット」なんて、一体何枚買ったか分からないぐらいです・・・。
しかし今回、ついに「決定版」と言えるものが出ました。良心的な名盤発掘で注目の「Edsel」レーベルのリマスターです。
1971年の記念すべきデビュー・アルバムから、1978年のメガ・ヒット「ミニット・バイ・ミニット」まで計8アルバム。これを各CDに2枚づつ収録し、計4CDという構成です。ボックス・セットではなく、あくまで各CD単位ですので、必要なセットだけ購入できます。
肝心のリマスターですが、Phil Kinradeというエンジニアが、Phil Premanという復刻プロジェクト全体のプロデューサーの指揮のもと、きちんと作業を行ったことが明記されており、まず信頼が持てます。サウンド的には、最近のトレンドである「過剰なコンプレッサー処理やイコライザー加工を排し、オリジナル・テープに極力近づける」という正しい方向にあると思います。それでも、音圧的には充分なものが確保されており、全体のシャープさと深さも増しているよう感じられますので、まさに、これが「21世紀のドゥービーの音なんだ」と納得した次第です。オリジナル・ジャケットのカバーや、インナー・スリーブの写真もていねいにフィーチャーされており、歌詞やクレジットのデータも当然もれなく記載されたブックレットが付属します。
最近、新興レーベルに近いところが過去の名盤の版権を獲得し、リマスターを施した復刻版を出してきていますが、もちろん玉石混淆いろいろある中で、EdselやFridaymusicのような良心的な仕事ぶりのレーベルの商品については大いに好感が持てます。
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