ジェネシス『月影の騎士』:ブルーレイ・オーディオで発売

51RGd1+NewLジェネシスの1973年の歴史的名盤『月影の騎士/Selling England by the Pound』が、このたびブルーレイ・オーディオのフォーマットで発売されました。

同フォーマットは昨今の「ハイレゾリューション・オーディオ(いわゆる「ハイレゾ」)」のブームの中でひろがり始めている新しいメディア。要するに、従来のCDをはるかに超えるスペックを持った高解像度の音源(ここでは96kHz/24bit)ということで、機能としてはSACDやDVDオーディオと同じです。

ジェネシスは2008年に全作品がリマスター・ボックスセット化された際、SACDやDVDオーディオのフォーマットも既に採用しており、このブルーレイもニック・デイヴィスによる当時のリミックス/リマスター音源がそのまま使われています。つまり、音源的にはただの焼き直しにすぎません。

個人的にはデイヴィスのバージョンは、必要以上にオリジナルに手を入れた印象で、あまり好きになれません。シャープな音像に生まれ変わったのは良いのですが、ドラム等がやや「固い音」になり過ぎたり、新たなエコー成分が付け加えられたりした結果、全体の空気感がオリジナルと大きく異なってしまっています。マルチ・トラックの音像も特にどうということはなく、できればオリジナルのステレオ・マスターをそのままハイレゾ化してほしかったというのが正直なところです

ということで、このブルーレイはあくまでジェネシスのコアなファンの方のみにおすすめです。

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