ゴーゴリの『鼻/外套/査察官』読みました

今度は、ロシアものにハマっております。

ゴーゴリの代表作『鼻/外套/査察官』から。例によって、光文社古典新訳文庫で。「落語調」の翻訳というのがウリだそうです。

ある日突然、主人公の「鼻」がなくなっちゃって、町中を探し回るというシュールなお話。物悲しくて、どこかおかしなストーリーに、落語調がぴったりフィットしています。

『外套』は、近代ロシア文学の先駆けとなり、多くのロシア作家に影響を与えたと言われ、あのドストエフスキー が、「我々は皆ゴーゴリの『外套』から生まれ出でた」と語ったと言われる重要作品です。

よし、今度は「狂人日記」を岩波文庫で読んでみよう。

小役人が狂気の世界にはまり込み、自分自身が国王なのだと信ずるに至るまでを刻々と日記にしたためるという、これまたシュールなお話し。

どれもダークで、異様で、奇怪な世界ばかり。芥川龍之介など、日本の作家にも大きな影響を及ぼしたとか。ホルヘ・ルイス・ボルヘスの世界観などにも通ずるところ大アリで、どれも久我の好みにぴったりです。

ところが当時は、ゴーゴリこそが「ロシア・リアリズム文学(写実主義文学)の祖」なのだという見方もあったとか。もっとも、あまりにも異様で奇怪なゴーゴリの作品は、「写実主義」とはほど遠いということで、そういった評価は改められているよう。

幻想・怪奇・ロマンという小説分野の先駆けとして、これからもゴーゴリを、さらに深掘りして行きたいと思っています。

➡️ゴーゴリの『鼻/外套/査察官』(光文社古典新訳文庫)はこちらから:

➡️『狂人日記』(岩波文庫)はこちらです:

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