クイーンのリマスター盤が話題です。今さら、なぜなんでしょう?
アイランド・レコードとの新契約で、過去のアルバム15作品がつぎつぎに再発されることになったクイーン。そのリマスターを手掛けるのは、マスタリング界の大巨匠、あのボブ・ラドウィッグです。
お世話になったアーティストは、マドンナ、U2、ローリング・ストーンズ、ザ・バンド、AC/DC、ブルース・スプリングスティーン、コールド・プレイ、レディオヘッドなどなど、世界中のトップ・アーティストが目白押しです。
日本のマスタリング・エンジニアの小泉由香さんが語っています「ボブ・ラドウィグって音楽愛にあふれている人なんだなっていうのが分かって、これはすごいなと思いました。バランスは変わらずに、少しだけ天井が高いとか、押しが強くしてあるとか。それくらいで止めるっていうのがすごい。こういうプロジェクトは歴史に残るから、消極的にいこうみたいなことにもなりかねないんだけど、攻めの姿勢も忘れていないです。」(「音の名匠が愛するとっておきの名盤たち 」より)
さて、ということで、でんど〜も早速入手しました。
1981年のクイーン『グレイテスト・ヒッツ』です。クイーン前期のベストアルバムである『グレイテスト・ヒッツ』は、英国アルバムチャートで562週に渡りトップ100圏内にランクインし、英国で歴代1位の約540万枚、全世界では2200万枚以上を売り上げました。一家に一枚。
リマスター盤にはっきり書いてあります「オリジナルの第一世代のマスター・テープより、最新鋭のテクノロジーを用いてリマスター」と。ふんふん。そりゃそうでしょう。
で、94年に発売された、昔のCDと聴き比べです。
ん??????????
確かに、音の鮮度が向上してる感じがする。例えば、「 地獄へ道づれ」とか。ハイハットの切れとか、ベースのクリアさとしまり具合とか。
え?????
でも、それほど変わったかなー?良くなったかなー?
そうなんです。聴いてすぐ分かるほど音が変わるのはダメなんです。高音がシャキッとしたとか、ベースがド迫力になったとか。
正しいリマスターとは、「決してあからさまでないデリケートな改善」と言えましょうか。オリジナルな音像に余計な細工を加えることなく、じっくり、長い期間の愛聴に耐えられるよう必要最小限の補正を加えること。
またひとつ、みんなが見習うべきリマスターのお手本が登場したと言えましょう。
→クイーンの「グレイテスト・ヒッツ」2011年リマスターはこちらから
ところで日本人は、初期のクイーンが大好き。「ボヘミアン・ラプソディー」とか。でも、クイーンの本当の実力が発揮されるのは後期なんです。音楽性の向上とエンタテインメント性のバランス。新分野への挑戦とサウンド・クオリティの絶えざる改善。正真正銘、すごいバンドでした・・・。
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