「松田聖子がイイ」って、当時も今もなかなか言い出しにくいものもありますが、やっぱりイイものはイイ。
なにしろ、間違いなく『日本のDIVA(歌姫)』と呼ぶにふさわしい存在でしたよね?(過去形で言っちゃいけないのか?)
(但し、これは純粋に「歌手」としての松田聖子の魅力を言っているのでありまして、久我としては、彼女のルックスや、まして色々なスキャンダルやゴシップ等には一切興味がありませんので、念のため・・・。)
全盛期の聖子は、本当にすごかったです。
なにしろ、1980年の「風は秋色」から1988年の「旅立ちはフリージア」まで、24曲連続でオリコン・シングルチャート1位を獲得なんて、ものすごい偉業を成し遂げたんですから。
歌手としての松田聖子の魅力は、まさにその「声」にありました。ハスキーかつキュート。あれだけ多くの人の心をとらえたわけですから、「声の魔法」としか言いようがありません。
もうひとつ、歌謡曲からニュー・ミュージックへの接近という業界の大きなトレンドというものもありました。
当時は、まだ歌謡界とニュー・ミュージック界にはなんとなく垣根がありましたけど、松田聖子を擁するCBS/SONYの製作サイドは積極的にそれを乗り越え、両者の融合をはかろうとしたんだと思います。
選ばれた作曲家陣は、松任谷由美、財津和夫、大瀧詠一、細野晴臣、尾崎亜美など。作詞は松本隆。演奏も、スタジオ・ミュージシャンの一流どころ。この結果、歌謡曲なんだけど少しハイ・レベルな感じで、大いに差別化に成功していたように思います。
J-Popってのも、はじまりは松田聖子なんじゃないのかなあ・・・。
さて、「The 9th Wave」。
1995年発表。独身最後(最初の結婚の・・・)となったオリジナル・アルバム。ここでの聖子はまさに女王の風格に満ち、「声の魔法」のピークにあったと言えます。
楽曲的には、「ボーイの季節」と「天使のウィンク」のシングル2曲が中心です。あらためて聞いてみましょう:
尾崎亜美は、この両曲において作詞・作曲からコーラスまで大活躍。壮大かつ感動的なスキのない仕上がりで、彼女の作家キャリアにおいても代表作と呼べるものでしょう。
そのほか、原田真二、吉田美奈子、矢野顕子、杉真理、大貫妙子らの「ニュー・ミュージック陣」による質の高いモダンな楽曲が並びます。面白いのは、詞は松本隆でなく全て女性作詞家ということ。トータルにフェミニンなイメージで、「フェロモン全開」の松田聖子がトロピカルに輝きまくっています。
今も現役で頑張る松田聖子。彼女の成し遂げた仕事の価値は、今後もすなおに認めてあげたいと思います。
The 9th Wave:松田聖子
- リリース: 1985年6月5日
- レーベル: CBSソニー
- プロデュース: 若松宗雄 大村雅朗(sound producer)
収録曲
- Vacancy (4:44) 作詞:銀色夏生/作曲:原田真二/編曲:大村雅朗
- 夏のジュエリー (5:33) 作詞:吉田美奈子/作曲・編曲:大村雅朗
- ボーイの季節 (4:35) 作詞・作曲:尾崎亜美/編曲:大村雅朗
- 両手のなかの海 (3:59) 作詞・作曲:矢野顕子/編曲:大村雅朗
- す・ず・し・い・あ・な・た (4:10) 作詞:銀色夏生/作曲:甲斐祥弘/編曲:大村雅朗
- 星空のストーリー (5:24) 作詞:来生えつこ/作曲:原田真二/編曲:大村雅朗
- さざなみウェディングロード (4:34) 作詞:来生えつこ/作曲:杉真理/編曲:大村雅朗
- 天使のウィンク (4:01) 作詞・作曲:尾崎亜美/編曲:大村雅朗
- ティーン・エイジ (3:54) 作詞:吉田美奈子/作曲:大貫妙子/編曲:大村雅朗
- 夏の幻影(シーン) (4:50) 作詞・作曲:尾崎亜美/編曲:大村雅朗
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