AllanHoldsworthエディ・ヴァン・ヘイレンは言いました。「アラン・ホールズワースこそ最高」だと。

フランク・ザッパも言い残しています。「アラン・ホールズワースは、この惑星で最も興味深いギタリストだ」と。

あまりにも個性的なため、「孤高」とか「変態」とか言われてきたアラン・ホールズワース。

そのギター・プレイは、実際、ほかの誰にも似ていません。

彼のギター・ソロはアタック感が希薄で、「うねうねした感じ」としか言いようのない個性的なもの。それは、単純なピッキングに頼らない独特な「指使い」によるもの。フレージングは、ジャズのような、ロックのような、クラシックのような、中近東のような・・・。ホールズワース自身は「サックス奏者のフレージングから学んだ」と発言していますが、ルーツのはっきりしない、ギター的でないスケールは実に不思議であります。

それに加えて、目にも止まらぬ「速弾き」を炸裂するんだからもうたまりません。

さらに、ソロが強烈なだけでなく、アラン・ホールズワースはその曲造りも極めて独特です。

大きな左手の指を目一杯広げて、不協和音とは簡単に呼べないほどの複雑なボイシング/コードを楽々と展開。コーラスやエコーもたっぷり効かせた空間処理で周囲を包み込み、これまた誰も聴いたことのないテクスチャーを自由自在に創り上げているんです。

まさに「夢幻的」と言うか、「宇宙的」「異次元的」。

アラン・ホールズワースは「Synthaxe」というギター・シンセサイザーを使用していた時期もあります。この「発展途上」のギター・シンセを弾きこなせたのは、恐らく世界中でホールズワースただ一人でしょう。ホーンとも何ともつかないシンセの音色が解け合い、実にユニークな音世界を構築していました。

ロック界・ジャズ界を見渡しても、「アラン・ホールズワースこそ史上最高のギター・プレイヤーのひとり」と断言して良いでしょう。

さて、それではアラン・ホールズワースの代表的なプレイをお聞きください。曲は『トウキョウ・ドリーム』!1984年、グラミー賞の「ベスト・ロック・インストゥルメンタル・パフォーマンス」にもノミネートされたアルバム『ロード・ゲームス』より。

アラン・ホールズワースは、自分のスタイルをジャンル分けされることを極端にいやがります。

特に「ジャズ」と分類されることには抵抗があるようで、あくまで「ほかの何モノでもない」ことにこだわっているのでしょう。

ということで、その活動領域は、ロック界・ジャズ界の垣根を越えて広大です。

70年代から現在まで、関係のあるミュージシャンはビル・ブラッフォード、UK、ゴング、ジャン・リュック・ポンティ、スタンリー・クラーク、テンペスト、トニー・ウィリアムスなどなど、実に多彩です。

さて、お次は『Rocks』。チック・コリアとの共演で著名なギタリスト、フランク・ギャンバレがフィーチャーされた1990年のアルバム『Truth in Shredding 』にアラン・ホールズワースがゲスト出演したもの。ホールズワースの物凄さを体感するにはこれ以上の曲はありませんので、ぜひお聞きください:

さながらフランク・ギャンバレとアラン・ホールズワースのギター合戦の様相を呈していますが、4分過ぎからのホールズワースのソロを聞けば、どちらが勝者かあまりにも明白であります。

大海を彷徨うような夢幻的な導入部から、ゆっくりと鎌首をもたげるアラン・ホールズワース。どこまでも奇妙な音階が次第に熱を帯びてくると、やがて手のつけられない超絶スケールの奔流となって・・・。しかも、ただの早弾きではない全体を覆い尽くすこの荘厳さ・・・。まさに、堂々たる勝者のパフォーマンスです。

商業的な成功には一切無頓着に、いかなる妥協も許さず自らの音楽を創り上げる。まさに「孤高」であるということ。そんなアラン・ホールズワースこそ、決して忘れてはならない存在だと思います。

allanholdsworth againstアラン・ホールズワースの広大な世界を手短かに知るには、このベスト盤「アゲインスト・ザ・クロック」がおすすめです。

全ソロ・アルバムの中から、ホールズワース自身が選んだ24曲に、新作2曲を追加。CD一枚目にはエレクトリック・ギターの演奏を集め、二枚目はギター・シンセという風に整理されています。

ジャケットには、エディ・ヴァン・ヘイレン、ビル・ブラッフォード、パット・メセニーらのホールズワースを讃える言葉が記されており、いかに彼が他のギタリストからの尊敬を集める「ミュージッシャンズ・ミュージッシャン」であるかがうかがえます。

なんせ、フュージョン・ギターの大御所ジョン・マクラフリンにこんなこと言わせちゃうんですから、「ステージでアラン・ホールズワースを見たとき、ぜったい全てを盗んでやろうと思った。でも、結局、彼がどうやって弾いているのか、最後まで分からなかったんだよ!」。

恐るべし、アラン・ホールズワース!

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