a29734c3bb3668cdbdb8009f1d354be9エルトン・ジョンは、いわゆるシンガー・ソングライターの一人としてシーンに登場して来たんですけれど、デビュー当時は、冴えないルックスのナイーブな「吟遊詩人」って感じでした。

ところが、ライブになると激しく豹変。とんでもなく派手な衣装に奇怪なメガネをかけ、足振り上げながらピアノを叩き、ロックン・ロールをやりまくってしまったんです。一気にトップ・スターまで駆け上がって行きました。

エルトン・ジョンの音楽的な「ふところ」はとても深く、ロックン・ロールをベースに、クラッシック、フォーク、R&Bなどが融合し、大きな「エンタテインメント」を生み出して行きました。相方の作詞家、バーニー・トーピンとのコンビネーションも完璧でした。

さて、長い年月にまたがるエルトン・ジョンの「栄光の軌跡」の中から、「最高傑作」をひとつ決めるなんて難しいんですが、やっぱり「黄昏のレンガ路 / イエロー・ブリック・ロード」ってことになるでしょう。

彼にとって初の二枚組大作。名曲の目白押しで、一曲目のインストゥルメンタル「葬送~血まみれの恋はおしまい」からすばらしい。まるでプログレのよう。アルバム・タイトル曲はもちろん大ヒット(全米2位3週間、ゴールド・レコード)。「ベニー&ジェッツ」も1位になりました。ダイアナ妃に捧げたのは、マリリン・モンローへのオマージュ「風の中の火のように(孤独な歌手、ノーマ・ジーン)」の換え歌ってのは有名な話ですね。そして、とにかく盛り上がる「土曜の夜は僕の生きがい」などなど。充実しまくっています。全米1位8週連続。売り上げ700万枚と特大ヒットになりました。

ポップ・スターという意味では、エルトン・ジョンはビートルズに次ぐ存在と言ってもいいのではないでしょうか。実際、Joel Whitburn著「Top Albums 1955-2001」によれば、エルトンは歴代ヒット・メーカー第7位の地位にあります。プレスリー、フランク・シナトラ、ビートルズ、ジョニー・マチス、バーバラ・ストライサンド、ローリング・ストーンズの次ということで、まあとにかくすごいんです。80年代に若干スランプもありましたが、その堂々たるキャリアは、いささかも輝きを失うことはありません。

ゲイのカミングアウトも、アル中の告白も、自分に素直だからなんでしょう。エルトンは最近、「音楽に興味がなくなった」なんて発言もしているようですが、まあ、これだけたくさん曲を作り、成功を納めたので、「飽きる」ってこともあるのかもしれません。もう休ませてあげてもいいかも。

 

さて、エルトンのそのほかの「おすすめアルバム」はたくさんありすぎて困りますが・・・。

madmanlargeマッドマン・アクロス・ザ・ウオーター
Madman Across The Water
71年。エルトン・ジョン初期のみずみずしい時代を飾る名作。鬼才ポール・バックマスターのストリングス・アレンジが全面的に施され、あくまで重厚に格調高く迫ります。ここから先、エルトンはロッカー/エンタテイナーに大変身。快進撃を開始。全米8位、ダブル・プラチナ認定。