ソフト・マシーン

soft-machineソフト・マシーンは昔からちょっと苦手でした。カンタベリー系のプログレに分類されるんだけど、フリー・ジャズっぽい。だったら、もっとすごいジャズ・プレイヤーはいくらでもいますから、技術的にも、音楽的にも全然ピンと来ませんでした。だらだらと単調なバックの上を、オルガンや管楽器が延々とアドリブするという・・・。

ただ、75年の「収束」だけは別格。なぜかというとアラン・ホールズワースが突然参加して弾きまくっているからです。これだけは、引き締まった名盤です。

で、

そんなソフト・マシーンの81年のラスト・アルバム、「ランド・オブ・コケイン」。ホールズワースが客演しているのは知っていたんですが、「どこで弾いているのか分からない」、「イージーリスニングに堕落した駄作」といった批評を目にしていたもので、放ったらかしにしてました。

で、まあ、何気に買ってみたんです。

すると、なんとこれがイイんですわ!!!

「収束」とは異なる、確かに「ソフト」な世界ではありますが、非常に美しく、ロマンチック。しかも、ホールズワースは、「Sly Monkey」という曲で、はっきり立派に弾いています。ソロも。その他の曲でも、結構弾いています。どこにいるか分からんなどと言った奴は誰だ?

そして、遅ればせながらこのサウンドの立役者の存在を知りました。

カール・ジェンキンス。

ソフト・マシーンを乗っ取ったと言われているおじさんで、オーボエとキーボード担当。後期マシーンのリーダーシップを完全に握っていたんですね。そのクラシカルな曲調がたまらなく良いです。現代音楽とも言えます。ロマンチックで、胸に来ます。サントラ的でもあります。

と思ったら、なんとジェンキンスさんは、NHKの「世界紀行」のテーマ曲などを演っているアディエマスというグループ名で、今や、世界的にメジャーな存在だったんですね。こいつは知らなかった!ソフト・マシーン信者の方々からすると、何を今さら感心しているのだ、と怒られそうですが・・・。

で、全部買いました。アディエマス。

これは、世間で受けるのも分かります。まあ、上質なヒーリング・ミュージックと言いますか、エスニックなエンヤの世界ですね。私としては、全く興味ありません。しかし、中に数曲クラシカルな曲がありまして、これは素晴らしいです。それだけのために所有します。

ということで、相変わらず音楽は奥が深い。いくら掘っても裾野が広がって行きます。だから止められないんですが・・・。

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