世界帝国から多極化へ:田中 宇氏の論評をもとに

田中 宇氏の評論活動は現在、その広範な歴史認識を踏まえた国際政治の見方において極めて優れている(同氏ウェブサイト:田中宇の国際ニュース解説)。

特に、「覇権拡大による世界帝国化」の歴史をひも解きつつ、現在の米国覇権のあり様を展望、さらに不可避的に進行しつつある「世界多極化」への地殻変動を解きほぐす点で、出色といえる。

その論旨は、同氏の解説記事に明確であるが、その論旨を要約すると下記のとおり:

  • 世界帝国・覇権の黒幕はユダヤ人である
  • ユダヤ人は、スペイン、オランダ、英国と「覇権転がし」をやり、やがて英国と共にアメリカを支配し世界帝国を構築した
  • 「帝国」の覇権にとって重要なのは「危機」。まさに冷戦は、アメリカ諜報機関とマスコミを総動員し作り出された「脅威」であり、それに対抗する形で世界帝国の覇権を維持。最大のメリットを得たのはアメリカの軍産複合体
  • 一方、「資本家」の論理は、世界を安定させ経済繁栄を追求したい。そのため米上層部では、冷戦を維持したい軍産より、冷戦を終わらせようとする勢力が優勢になり、ニクソン訪中、レーガンの米ソ和解により、冷戦構造が解体された
  • その鍵は、アメリカの単独覇権体制を解体し、中露なども巻き込んだ多極化を進めるという考え方。ブッシュ親子、トランプに連なる共和党の大統領は基本的に資本家側
  • しかし、米単独覇権の構図がある限り、世界は再び無理やり分断され、どこかの地域が米国の敵とされて、世界を不安定化させられてしまう。それは911のイスラム危機であり、最近のロシア・ウクライナ戦争
  • 以上、今後も基本的に、世界は「多極化」の方向に向かうものと予想されるが、まだまだ、世界帝国を維持したい勢力との激しい対立は続く
  • 尚、いわゆるネオコンのように、明らかに「軍産」すなわち「帝国側」とみなされそうな勢力も、実は「隠れ多極主義」ということで、アメリカの帝国支配をわざと失敗させることで多極化を進めようとする動きもあり、情勢はより複雑化

参考にした同氏の論文は以下のとおりです:

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