オリビア・ニュートン・ジョン あらためて良いです。

オリビア・ニュートン・ジョンの旧11アルバムが、紙ジャケ、リマスターで再発されます。

あらためて彼女の魅力に注目しましょう。

オリビア・ニュートン・ジョンは、1971年のデビュー以来ヒットを連発し、当初のカントリー・スタイルから次第にポップスのメイン・ストリームへと大きく成長。ミュージカル「グリース」の大ヒットを経て女優業にも進出します。

キャリアの金字塔は、81年の「フィジカル」。全米10週連続1位という、すさまじい記録です。

これは、デビー・ブーン(「You Light Up My Life」)と並ぶ、ビルボード史上の最高記録で、未だに破られていません。販売枚数でも、過去50年間の歴代第6位となっており、まさに歴史に名を残しました。

世界中のトップ・アイドルとなったオリビア・ニュートン・ジョンですが、その魅力は歌唱力にあります。

天使のようなファルセット・ボイスから力強いアルトまで、広いヴォーカル・レンジを自由自在にあやつるテクニック。素朴なカントリーから、躍動的なダンス・チューンまで。清純派路線から、ちょっとセクシー路線まで。さまざまなスタイルに対応し、変幻してきました。

筆者の選ぶトップ・ソングは「マジック」。オリビアの主演したミュージカル映画「ザナドゥ(1980年)」からのシングルで、これも4週連続1位というメガ・ヒットとなりました。

ここでのオリビア・ニュートン・ジョンは、成熟したプロの歌手として、持てる技術を自在にぶつけ、聴く者を眩惑するのですが、何といっても、転調に転調を続け荘厳な雰囲気をかもしだす楽曲そのものがユニークで、誰も聴いたことのない個性を生んでいました。それが、オリビア・ニュートン・ジョンのキャリアを全面的に支え続けた、プロデューサーのジョン・ファーラーの仕事です。

彼は、彼女のデビューから30年近くにわたり、18作のアルバムをとぎれなくプロデュースしました。作曲からギター演奏まで、彼の存在抜きにオリビア・ニュートン・ジョンの成功は語れません。

イギリスのシャドウズのメンバーとしてキャリアを築いたジョン・ファーラーは、70年以降、オリビアのプロデュースに人生を捧げたといっても良いほど。鍵は、その独特な曲造りにあります。転調が多いのに、なぜか親しみやすいメロディー。ギターを中心としたシンプルなアレンジなのに、なぜか聴いたことのないような雰囲気で、まさにマジック!。

オリビアは、「ジョンは、楽曲への深い愛情と完璧主義を兼ねそなえた最高のプロデューサー」というコメントを寄せており、二人の長年にわたる深い信頼関係がうかがえます。(ジョン・ファーラーは1980年、唯一のソロアルバムを出します。彼の魅力を凝縮した傑作で、これもぜひ聴いてみて下さい。)

オリビア・ニュートン・ジョンは、一時ガンとの闘病で一線を退きましたが、90年後半から徐々に復帰しており、アルバムもコンスタントに出しています。97年の、故郷シドニーでのコンサートを収録したDVD「ライヴ・ベスト」では、整形でなんとか美貌を保ちつつ(?)、往年の歌声を満喫させてくれました。オリビア・ニュートン・ジョンが還暦なんて、時は残酷すぎる気もしますが、忘れられないポップ・スターとして、これからも愛聴して行こうと思います。

さて、これからオリビアを聴いてみようかという方には、ベスト盤「Gold」がお勧めです。彼女のベスト盤はやたらたくさんあるのですが、迷わずこれ!2005年発売の2枚組で、代表曲はほぼ完璧にカバー。リマスターで音質が向上している上、お値段も手頃です(マニアは、このCDでしか手に入らない「Fool Country」も注目)。

これでオリビア・ニュートン・ジョンの魅力に目覚めたら、あとはたくさんのアルバムが待っています。

→ オリビア・ニュートン・ジョンのベスト盤「Gold」はこちらから

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