ジノ・バネリ(Gino Vannelli)の最新版。早くも今年のベスト決定!?

2010 年 3 月 27 日 コメント 1 件

gino_vannelli_bestジノ・バネリの新盤「The Best and Beyond」が出ました!

昨年、彼の近況をご報告したのですが、今回ジノは、今までの歩みを集大成したベスト盤を発表してくれました。ミソは、すべて最新の再録音というところです。

やった!お帰りなさい、ジノ!。

なんせ、彼はここ10年ぐらい、なぜか正当派ジャズの世界に行ってしまい、昔を知るファンとしては、なんとも歯がゆい想いをしていたのでした。それが、レーベルも一新して自らの曲に再挑戦。しかも、セルフ・カバーにありがちな「全く別のアプローチ」というのでなく、基本的にすべて当時を彷彿とさせる「ギンギン」の全力投球なんです。

ジャケットもほら、往年のアフロ・ヘアー復活。持ち前の不敵な面構えが戻ってきて、とっても元気そうです。

まず1曲目。ファンなら誰でも知ってる「ピープル・ガッタ・ムーブ」。1974年のデビュー2作目の冒頭を飾る、ジノ・バネリのクラシックです。もう30年以上も前なんだ・・・。

激しいラテン・ビートで始まり、シンセ・ベースがからむ。サビはゴージャスなポリ・シンセ。やったぞ、オリジナルと同じだ!4ビート・ジャズでやられたらどうしようかと思ってたぞ。とひと安心。違うのは、最新鋭の録音技術で若いミュージシャンに囲まれ、今のサウンド、今のグルーヴで蘇っていること。

ここにいるのは、21世紀のジノ・バネリなんです!


ジノ・バネリの「The Best and Beyond」はiTunesで購入できます!(なぜかAmazon JapanではCD発売まだのようなんですが・・・)。

→こちらからどうぞ(試聴もできます)Gino Vannelli - The Best and Beyond



全盛期のジノはすごかった。

基本はフュージョン。そこに、ハードロック、ラテン、クラッシックなど様々な要素が彼独特の世界観でブレンド。ヒトによっては「プログレッシブ・ロック」に分類する場合も。高度なテクニックの応酬で、息つく暇もないぐらいの、過激で洗練されたプレイ。彼独自の極めてユニークなコード進行は、当時、多数のフュージョン・バンドにパクられたものでした。

そして、その鉄壁のバックの上で朗々とリード・ボーカルを披露するのは、我らがジノ・バネリ。イタリア系カナダ人の血が、どこかカンツオーネを呼び起こします。

なんせ、圧倒的なナルシズム丸出し。ステージの真ん中で仁王立ちなって、胸をはだけて、「俺を愛せ(ラブ・ミー・ナウ)」ですから・・・。

彼の辞書に妥協という文字は一切ありません。その時点その時点で、心に信じた音楽をひたすら追究します。初期は、ギターもベースもなし。全部シンセサイザーというユニークな編成でした。アルバムの後半を、ほとんど歌なしで全部オーケストラにしてしまったこともあります(「パウパー・イン・パラダイス」)。せっかく「アイ・ジャスト・ウォナ・ストップ」が全米4位の大ヒットになったのに、そのAOR的受け止められ方に釈然としなかったのか、その後なぜかスターダムに背を向けて深く沈んで行ってしまったジノ。


でんど〜はあなたの個性と志を愛します・・・。


全盛期のジノ・バネリについては、ぜひこちらをご覧下さい。

さて、このニュー・アルバム。選曲は、代表作を中心にバランス良くなされています。

ジノ・バネリに、どんな心境の変化があったのかは分かりませんが、ここでの彼のパフォーマンスはひたすら全力投球。もう、迷いはありません。ヴォーカルは、ピーク時と何ら遜色ない声量と迫力。バックのメンバーは無名ですが、ジノがその選択に妥協するはずありません。ドラム、ベース、ギター、キーボードとも、ものすごい演奏を聞かせてくれます。

イメージとしては、1993年の名盤「ライブ・イン・モントリオール」に近く、彼の代表曲を、その時点で最高の演奏力をもって全力で再現する。特に、彼の十八番「ブラザー・トゥー・ブラザー」の迫力といったらどうでしょう?。今どき、こんなにダイナミックで、度外れた演奏の音楽ってありますか?強烈なリズムのキレ、複雑な曲展開、屹立する堂々たるリード・ヴォーカル。カタルシスに身も心もヘトヘトです・・・。

→名盤「ライヴ・イン・モントリオール」はiTunesで(試聴もできます)Gino Vannelli - Gino Vannelli Live

こんなに元気なジノ・バネリが戻って来てくれたので、でんど〜は胸が熱くなります。今年、これ以上の作品に出会う可能性は非常に低いと、いまから宣言してしまいましょう(ジェフ・ベックの新作を聴く前ですけど・・・)。ライブも見たいなー。去年はラスベガスの場末で細々とやってたんだけどなー。

ちょっと残念なのは、お兄さんのジョー・バネリが参加していないこと。ジャケットにもひとことも触れられていません。苦しい時を二人三脚で乗り切ったジョー兄さん。貴方のアレンジとキーボードが、弟ジノのシグネチャーだったんですよね?ここのところ、別行動みたいですね。もう仲違いしてしまったんでしょうか?兄弟喧嘩でしょうか?ジョー・カムバック!!



最後に、ジノ・バネリのその他の代表作をご紹介します。どれもでんど〜自信のお勧めです。自らの音楽性にどこまでも誠実に生きる希代のジノ・バネリ。その孤高の音楽を、どうか聴いてやって下さい!

「失われた時を求めて」第7巻読み終わりました・・・。半分突破です!

2010 年 3 月 24 日 コメントはありません

serching-for-lost-time-7前巻の読了が2月7日なので、第7巻は一ヶ月ちょっと。多少ペースが上がってきました。


ふー。

第四篇 ソドムとゴモラ I」。

ということで「いよいよ来たか!!」。期待(?)に震えました。「ここまで耐え忍んできた甲斐があったぞ。ついに、ものすごいことになって行くんだ!」

いきなり冒頭、怪しさ満開のシャルリュス男爵が大暴走を開始してくれます。仕立て屋ジュピヤンと出会うともう歯止めが利きません。「うひぇ〜」。

で、あれれっ??

そこから先は、主人公がまたリゾート地バルベックに行ってしまう。そして、延々と亡きお祖母さんをしのんでる。このへんは、もうとにかく「失われた時よ、早く過ぎよ」。

そして、宿敵アルベルチーヌ。今度はゴモラ的にとんでもないことが巻き起こりそうな予感が?予感が?あんまり、しないなー。

と思っているうちに、第四篇の前半は終了してしまうのでした。

読むスピードが上がってるってことは、乗って来てるんだと思います。これまでに比べて、さらに苦しいってことはありません。そういう段階はもう過ぎたと言うか、けっこうサクサクと。何か、壮大なおあずけを食いながら、訳も分からず前に進んでる感じではあります。これがプルーストにはまるってことなんでしょうか?

あと6冊!


ふー。


失われた時を求めて〈7〉第四篇 ソドムとゴモラ〈1〉 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)はこちらです。

レディー・ガガさま(LADY GAGA)かなり好きです・・・。

2010 年 3 月 20 日 コメントはありません

lady-gaga-311980年代の中頃くらいから、新しい音楽に追いつけなくなっちゃった、化石のようなでんど〜です。

でも最近、年甲斐もなくはまってるのがあります。


レディー・ガガ・・・。


ご覧のように異様な格好で登場し、当然キワモノと思っていたんですが、これがなかなかの実力派(しかし、この海老マスクはすごいなー・・・)。

なんせ、とにかく歌がうまい!野太いのから天使のようなのまで、変幻自在。しかも、作曲もプロデュースもできる。

なかなか才能あるアーティストなんですね。イタリア系のアメリカ人で裕福な家庭の出なのに、ストリッパーになっちゃったという・・・。そういうバック・グラウンドも、大いに話題を盛り上げておりますなあ。


ということで、我が家はみんなガガさまの大ファンです。


アルバムは2枚しか出ていないんですが、これがセットになった「ザ・フェイム・モンスター」が一番お得だと思います。彼女のヒット曲は全部聴けます。

でんど〜が特に好きなのは、「バッド・ロマンス」という曲ですね。

ヘヴィーなファンク・ディスコ・ナンバーにのっかるレディー・ガガの歌声は、実にドスが利いてて貫禄充分。新しいんだけど、サビなんかはとっても親しみやすく、オーソドックスな感じすらします。でんど〜にも、なんだか理解できるんです。

ハイ、思わず乗ってしまいます。何度も聞いてしまいます。


ここ10年で、最も有望なアーティストと言い切ってしまおうかな!


しかし、これで、完全にマドンナも引退を決意するんじゃないですかねえ。いくらなんでも、もうかなわないと・・・。そんな圧倒的なエネルギーとタレント性が、今のレディー・ガガにはあると思います。


レディー・ガガのお得な2枚組み「フェイム・モンスター」はこちらから

iTinesで「バッド・ロマンス」をダウン・ロード

今年のF1:けっこう面白そうだな・・・。

2010 年 3 月 14 日 コメントはありません

f1_gulf昨年は、愛するBMWチームの不甲斐ない成績の果てに、撤退のニュースがダメ押しとなり、F1に興味をなくしたでんど〜でありました。

でも、2010年シーズンの幕開き、バーレーン・グランプリ

やっぱり、ちょっと興味わいたので、TVで見ちゃいました。

終わってみればフェラーリのワン・ツー勝利。それでもって、今年は結構エキサイティングかもしれないぞ!

  • 何と言っても話題はマイケル・シューマッハの復帰。史上最多、7度のワールド・チャンピオン。復帰先は、昨年の覇者「ブラウンGP」を丸ごと買い取ったメルセデス・チーム
  • 対するフェラーリは、2大会チャンピオンのフェルナンド・アロンゾルノーから獲得し、フェリペ・マサとのコンビは強力。マサは昨年、怪我で後半を棒に振っただけに今年はやる気満々。
  • マクラーレン(メルセデス)だって黙ってない。昨年のチャンピオン、ジェンソン・バトンを迎え、ルイス・ハミルトンとのチャンピオン・コンビ。
  • ということで、歴代のワールド・チャンピオンが4人が集結(シューマッハ、アロンゾ、ハミルトン、バトン)。
  • 一方、昨年絶好調だったレッド・ブルは、不動のセバスチャン・ヴェテルマーク・ウェバーで雪辱を期す
  • そのほか、伝統のロータス・チームの復帰とか、バージン・グループのF1参戦とか話題豊富。
  • 日本人の小林可夢偉BMWザウバー・チームへ。
  • レースのルールも色々変更。特に大きいのが、レース途中の給油が一切禁じられたこと。ピット・インはタイア交換のみ。ガソリンが空になったらそれまで。

初戦は、ルールの変更もあって、テンポの良いレース運びへと。ポール・ポジションから独走してたセバスチャン・ヴェテルがまさかの機械不良で脱落。フェラーリが勝利をかっさらって行きました。久々のシューマッハも、6位とまずまずの出足。

しかし、良く分からないのは、BMWは脱退したのに、チームの権利を買ったザウバーが「BMWザウバー」をまだ名乗っていること。エンジンはもうフェラーリなのに!今年はBMWは関係ないのよ!!恥さらし!!!

ということで、今年はどこを応援しようかな。

BMWの宿敵はメルセデスってことで、フェラーリ・チームにエールを送りますかね。

そんじゃ、フレー、フレー、アロンゾ!!!フレー・フレー、マサ!!!

サイモン・フィリップス(Simon Phillips)の新作「PSP」

2010 年 3 月 12 日 コメント 2 件

pspサイモン・フィリップスは超大好きなドラマーであります。

機関銃のようにシャープでタイト。電撃的にスリリング。正確無比なタイム感覚は「サイボーグ」と言われることも。ジャズ・フュージョンの高度なテクニックを自在に披露しながら、しっかりロック魂も忘れない。どんな音楽でもビシッときめてくれるプロ!

TOTOでのプレイが有名ですが、そもそも超売れっ子セッション・ドラマー。参加作品を上げてたらキリがありません。

でんど〜が特に愛するのは、ジェフ・ベックとの「There and Back 」。ロック寄りフュージョンの、まさに金字塔と言えましょう。「Space Boogie」でのツーバス変拍子の応酬は、余りにもすごい乱れ打ちで、何をどうやってるのか分からないほど。ベックさまの超絶ギターに一歩も引かない、サイモンのものすごいプレイでありました。

ベックさまとの対決「There and Back」はこちらからどうぞ

(なお、TOTOのファンの間では、故ジェフ・ポーカロをなつかしみ、サイモン・フィリップスに不満の声もあるそうですね。ノリが悪いとか・・・。確かに、二人のスタイルはずいぶん違います。要するに、三連符のリズムのとらえかた方の違いです。ジェフ・ポーカロは、俗に言う「ハネ」る感じで、すごくファンキー。一方、サイモン・フィリップスはあくまで正確無比。例えば、シャッフル系の「ロザーナ」では、ポーカロのノリに軍配が上がるかもしれません。上手下手じゃなくて、あくまでスタイルってことです。そもそもでんど〜としては、TOTOとサイモン・フィリップスはミスマッチだったと思います。っていうか、正直TOTOなんかにはもったいないと・・・?。また怒られちゃうかな。。。)



さて、そのサイモン.フィリップスの新作が出たというので早速買いました。

その名も「PSP・ライヴ」。

フィリップ・セスピノ・パラディーノとのトリオで、三人の頭文字をとってPSP。いつの間にこんなバンドが結成されていたのだ?!しかも、これは2009年2月の日本でのライヴ?!!とにかく、こういうフュージョン系のミュージシャンは、日本の方がはるかに観れるんですねえ・・・。

さて、ところが、コレが意外と「いまひとつ」でした・・・。えっ??何で???このメンツで???

まず、これはトリオとはいえ、フィリップ・セスがリーダーのようで、作曲はほとんど彼だし、ミキシングも彼。全面に出てるのも彼のキーボード。フィリップ・セスはまことに達者なセッション・プレイヤーなのですが、最初のソロ・アルバムがウィンダム・ヒルから出たように、ややニューエイジ系の匂いがするヒト。曲調も、ちょっとスムーズ・ジャズ的というか、でんど〜好みの超トンがった感じではありません。

一方、ベースのピノ・パラディーノも、これまた優秀なセッション・プレイヤー。この前はザ・フーと一緒にスーパー・ボールに出てたくらいで、ジャズからロックまで、何でもソツなくこなすヒトです。

ということで、優秀なスタジオ・ミュージシャンが集まって演っても、上手いんだけどつまらないというパターンに、このPSPも少々はまってるような気がします。

ちょっと残念。。。

でもでも、我らがサイモン・フィリップスは、いつものように一切手抜きなしで大活躍。

ライヴ映像をのぞいてみましょう:

(面白いのは「Blue Rondo A La Turk」という曲。これは、あの70年代、プログレッシブ・ロックを代表するキーボード・トリオ、エマーソン、レイク&パーマーの「ロンド」と同じ曲であります。時代も違うし、スタイルも全然違う二つのバンドが、時を隔ててこんな曲でつながってしまったんですね。)

「PSP・ライヴ」はこちらから


さて、サイモン・フィリップスのものすごさは、彼のソロ・アルバムで最大限に発揮されます。妥協を知らないハードなフュージョンに、これまた妥協を知らない彼のドラムが炸裂します。ここでご紹介するアルバムはすべて悶絶間違いなしですので、ぜひ聴いてみて下さい!

「グレート・ギャツビー」村上春樹訳で読みました

2010 年 3 月 12 日 コメントはありません

great_gatsbyアメリカ文学を渉猟しているわけでも、スコット・フィッツジェラルドに傾倒しているのでも、ましてや村上春樹のファンでもないでんど~が、今ごろ「グレート・ギャツビー」を読んだ理由はただひとつ。ランダムハウス社20世紀の英語小説ベスト100」の2位にランクされていたから(1位は「ユリシーズ」)。

そこまでの本ならば、読み忘れは許されません。

同書の訳が複数ある中で、この村上春樹の新訳は絶賛されているようです。村上春樹自身がギャツビーに心底惚れ込んでいる。それが解説の中で、なみなみならぬ思い入れで語られている。「カラマーゾフの兄弟」に匹敵するとまで言っています。

え?そこまで言う?。これがドストエフスキー??

確かに、ヘミングウエイなどと並べアメリカ文学を論じれば、ギャツビーが高い位置を占めるんでしょう。それが、「20世紀の英語小説」としては高い評価ということ。

でも、例えば「海外小説史上ベスト100」(「考える人」2008年)では、ギャツビーは26位です。それでも世界的名著であるのは間違いないでしょう。ただ、カラマーゾフ(同3位)と比べるというのは、いくらなんでもどうかということです・・・。(ちなみに同1位は「百年の孤独」2位「失われた時を求めて」)もちろん、そもそも小説のランキングを論じること自体に意味があるのかという点は認識しておりますが・・・。

確かに、28歳でこれをものにしたスコット・フィッツジェラルドの早熟振りには驚くべきものがあります。全編を覆う詩情。特に、単純なアメリカン・ドリームに陰を投じた、なんとも言えない切なさが本作の魅力の核心でしょう。

しかし、全体のコンパクトなボリューム感と、その「詩情」のわりに、無理やり詰め込まれたような印象のドラマチックなストーリーに違和感を覚えるのと、語り手ニックに感じる共感のわりに、ギャツビー本人に対してどうにも手応えがありません。

でんど~としては、ウィリアムズバーグのアメリカ版「明治村」に感じた、あまりにも何もない底の浅さというのに近い感覚を持ちます。一皮めくると何もないアメリカ。いい意味でも悪い意味でも。だからしがらみなく、単純明快に、人間の鋭角的なエネルギーを強烈に放射できる。そんな国、アメリカ。それは人間の「獣性」への接近ともイコールで、文学の深みからは対極にあると感じざるを得ません。

そして強く感じたのが、これが村上春樹のルーツそのものということ。まさに彼の文体から「詩情」の全てまで。功なり名を遂げた安心感から、自らの「ネタバレ」をできるまでになっただけ、というのは嫌味すぎるでしょうか?

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)はこちらから

「ハート・ロッカー」(The Hurt Locker)アカデミー賞席巻!

2010 年 3 月 8 日 コメントはありません

kathryn-bigelow-best-director-oscar-academy-awardsjpg-8ad318cb03ce8bd4_mediumキャスリン・ビグローが監督賞というのは、だいたい世間の予想どおり。

すごいのは、作品賞までとったこと。アバターと痛み分けというのが大方の予想だったのに。

さらに、脚本賞、編集賞、録音賞、音響編集賞まで。全6部門を制覇。まさに、「ハート・ロッカー」の地滑り的勝利である。

すばらしい!

イラク戦争もので政治的に勝ったとか、初の女性監督賞という話題作りとか、色々いうヒトもいるけど、とにかくすばらしい!!

なんせ、あのアバターを破ったんだから!!!


そして、サンドラ・ブロックの主演女優賞。よかった、よかった!

今年のアカデミー賞は大納得です!


<「ハート・ロッカー」はじめ、映画のチケットは、こちらからどうぞ>


念のため、第82回アカデミー賞の受賞者リストを掲載します:

ピーター・ガブリエルの新作。正直、うんざりです・・・。

2010 年 3 月 7 日 コメント 4 件

peter_gabriel_scratch_my_backピーター・ガブリエル8年ぶりの新作「スクラッチ・マイ・バック」。

初のカバー集ということで、デビッド・ボウイの「ヒーローズ」やポール・サイモンの「ボーイズ・イン・ザ・バブル」、レディオヘッドの「ストリート・スピリット」などをオーケストラをバックに歌います。

でんど〜としては、正直、ガッカリをとおり越してウンザリです。

その理由は:

  • 基本的にどの曲も、ピーター・ガブリエルが至近距離でつぶやくような「独唱」に近く、オーケストラのアレンジ自体にも特別の工夫なし。はっきり言って、余りにも単調で、退屈で眠くなる。
  • どの曲も、まさにピーター・ガブリエルの好みそうな曲ばかりで、アレンジも彼の雰囲気丸出しなので、そもそもカバーする必然性が感じられない。そこには、意外な組み合わせの妙も、斬新な切り口もない。

今回のカバー曲の作者に、ピーター・ガブリエルの曲を逆にカバーすることを持ちかけ、「相互カバー集」とする計画も進めているそうです。アイデア自体悪くはないんですが、なんだかその方法論自体にピーターの興味が集中しているようで、どうなんでしょうか?そもそも逆カバーを持ち掛けられたアーティストもちょっと困ってるんじゃないかなあ。デヴィッド・ボウイは断ったって言うし・・・。



でんど〜にとって、ピーター・ガブリエルはアイドル中のアイドルであります。


彼の在籍していた時代のジェネシスは、プログレという狭いジャンルを超え、あらゆるロック界の頂点に立つ存在だったとすら思います。

ソロになってからも、ピーター・ガブリエルは野心的実験的な作品を次々に生み出し、ロックの地平線を確実に拡大して行きました。

1983年の「プレイズ・ライブ」は、それまでのソロ・キャリアを集大成した傑作です。そのエネルギーと実験性。アフリカの密林の中で未来と過去が交錯し、人間と超人が死闘を繰り広げるような、誰も描いたことのないポリ・リズムにあふれた世界がそこに立ち現れています。

そして、1986年の「So」。全米2位。売り上げ500万枚以上の大ヒットとなりました。彼の努力は大きく報われたんです。

しかし、「So」をピークに、ピーター・ガブリエルの表現者としての個性は大きく変質して行きます。

1992年の「Us」、2002年の「Up」と極端に寡作となり、合間合間に映画のサウンド・トラックを発表する程度。

その間、しだいに鼻について行ったのは、「襟を正して聴け」とばかりの権威を全面に押し出した自意識。芸術家然としてふんぞり返った自己満足とナルシズムです。どの作品も、もったいぶって、大げさで、偉そうで、権威ぶって、どうもいただけません。


でんど〜は、ミュージシャンが音楽そのもの以外に力を入れるのを忌み嫌います。功成り名を遂げたミュージシャンが、急に芸術家気取りになったり、政治や社会的活動に走ったりするのを嫌悪します。

例えば、U2ボノスティング

peter-gabrielそして、人権運動に熱心なピーター・ガブリエルも、今やそういったにおいがプンプンします。

ピーター・ガブリエルは、英国パブリック・スクール出の上流階級のボンボンです。もともと、ロック界には希有な知性も教養も育ちも兼ねそなえたエリートです。

そんな彼だって、昔はこんなカッコして歌ってたんだから。

ミュージシャンの原点は「河原乞食」ではないか?ひとさまに自分の芸を喜んでもらい、お代をいただいてなんぼだと。

ミュージシャンは音楽で勝負しろ。金持ちになってから恩返しみたいに慈善事業やったり、地球温暖化や人権問題なんか語るな。大御所面して偉そうにするな。表現の方法論に逃げるな。音楽そのものでリスナーを感動させられなくなったら去れ!


特に、ピーターの「権威」が鼻につきはじめたのは、彼の脱退後、ジェネシスがフィル・コリンズをヴォーカルにして猛烈に売れはじめた時期と重なるよう思われます。自分がリーダーだと思っていたバンドが、自分が辞めても何事もなかったように大成功しちゃってる。これは衝撃的だったはずです。自我の崩壊をまねくでしょう。すると彼は、「単に売れる」というのとちがうところに目標を置く。置かざるを得ない。そうしないと自己実現が図れなかったのではないか?ピンク・フロイドロジャー・ウォーターズなんかも同じような感じがします。

どうしちゃったのピーター?本当はもうすっかり枯れちゃったんじゃないの??

ジェネシスの再結成の噂もずっとありますが、ピーター・ガブリエルが了承しないので実現していません。そこに、自らが状況をコントロールし悦に入っている彼の自己満足をみると言ったら嫌味すぎるでしょうか?

でんど〜としては、ピーターに早くそんな世界から目覚めて、一度でいいからジェネシスのリユニオン・コンサートをやってもらいたいものです。昔のように仮面かぶって、踊り踊って、「眩惑のブロードウェイ」の大パフォーマンスを。

もしやってくれるなら、地球上どこでも飛んで行くのに・・・。


さて、それでもコレを聴いてみようという方は:

「スクラッチ・マイ・バック」

ピーター・ガブリエルの最盛期のパフォーマンスに興味がある方は:
「プレイズ・ライヴ」

キャリアのピークを極めたのが:
「So」

ジェントル・ジャイアント(Gentle Giant)のリマスター決定版?

2010 年 2 月 28 日 コメント 2 件

gentle_giant-free-handジェントル・ジャイアントは、一般の知名度はものすごく低いんですが、いわゆる5大プログレに次ぐ、堂々たる存在だと思います。

プログレッシブ・ロック界のランキングを勝手に認定すると、こんな感じでしょうか:

1位:ジェネシスピーター・ガブリエル在籍時限定)
2位:イエスビル・ブラッフォード在籍時限定)
3位:ピンク・フロイド
4位:エマーソン、レイク&パーマー
5位:キング・クリムゾン
6位:フォーカス
7位:P.F.M.
8位:ジェントル・ジャイアント
9位:U.K.
10位:イット・バイツ

ジェントル・ジャイアントの魅力を要約すると:

  • 妥協を知らない音楽性の追求。
  • メンバー全員のものすごい演奏力。管楽器、弦楽器、打楽器、ヴォーカルを巧みにこなし、ライブでパートをとっかえひっかえ合奏・合唱するさまは曲芸のよう。「音のスーパー・サーカス」とも言われる。
  • 中世ヨーロッパの宗教音楽をベースにしたような独特な世界感。ほかのプログレが、いわゆるクラシックの王道を下敷きにしたのと決定的に異なる。
  • メロトロンが壮大にコードを奏でるといった、プログレのお決まりパターンにはまらず、細かいパーツを組み上げて行くような独特な曲構成。ジャズやファンクにも通じるリズミカルな乗りから、嵐のような変拍子まで、これまた空前絶後。

ということで、ある種「変態的」とも言える強烈な個性です。ルックス的には、ぜんぜんイケてないし(ほとんど、中世の旅芸人)、ヴォーカルは気持ち悪いの一歩手前。拒絶反応が出ちゃうと、ちょっと苦しいかも・・・。

でも、一度ハマると、とことん行ってしまいます。でんど〜は完全にハマってしまいました。。。

彼らの仰天ステージを、少しのぞいてみましょう:

ジェントル・ジャイアントの活動期間は、1970年のデビューから約10年間。11枚のスタジオ・アルバムと1枚のオフィシャル・ライブを出したのですが、レーベルが複数にまたがる上、権利関係などが今ひとつはっきりしないようで、全作品を横断するリマスターの決定版は、残念ながらまだ存在していません。

今回は、中後期の7作品がリマスターされました。

発売元のAlucard Recordsは、創設メンバーのケリー・ミネアが興したレーベル。ホームページによると、「原盤権が自分たちに戻ってきたので、可能な限りオリジナル・マスターに忠実にリマスターし販売することにした」とのこと。ジャケットに「オリジナルの1/4インチ・マスター・テープから、24bit 96kHzでリマスター」と明記されており、力が入っているのが分かります。

実際に聴いたところでは、不必要な色づけの少ない非常に優れたリマスターと感じられます。「ビートルズのリマスターにも似た良心的な仕事」との評価も見受けます。2005年、創設メンバーのデレク・シャルマンのレーベルDRT Entertainmentが、この時期のアルバムを「35周年記念リマスター」として発表していますが、音質的には今回のAlucardの方がベターという評価のようです(ただし、今回ボーナス・トラックが一切なしというのは、ちょっとさびしい・・・)。


さて、まず何と言っても、1975年の「フリー・ハンド」。

全米アルバム・チャート48位と、ジェントル・ジャイアントとしては史上最高位。名実共に彼らの最高傑作と言えるでしょう。

この「フリー・ハンド」に、彼らの強烈な個性はすべて出そろっています。パズルを組み立てたような、複雑怪奇な曲構成。人間技を超えた楽器の演奏力とコーラス・ワーク。中世クラシック風味とビシバシ変拍子。ファンキーでちょっと不気味にポップ・・・。

これにピンとこなかったら、ジェントル・ジャイアントはパスして下さい。

もし気に入ったら、1977年の「プレイング・ザ・フール」。全米89位。彼らの最盛期をとらえたライブ盤で、代表曲は、すべて網羅されています。


ジェントル・ジャイアントの最高傑作「フリー・ハンド」のリマスターはこちらから

ジェントル・ジャイアントの悶絶ライヴ「プレイング・ザ・フール」はこちらから

1978年、ロンドンでの仰天ステージの全貌をとらえたDVDはこちらから



このジェントル・ジャイアントも、70年代後半に入ると苦難の道に入ります。

イエスなどのプログレが、ポップで聴きやすい方向に路線変更しつつ、それなりに生き残って行った中で、ジェントル・ジャイアントは、うまく変身できませんでした。アメリカのレーベル「クリサリス」に移籍して以降、作品としては76年の「インタヴュー」ぐらいから、どうもおかしくなっちゃいます。

慣れないポップをやらされて、のたうち回り苦しむジェントル・ジャイアント。

もともとが「中世の旅芸人」です。ポップになれるはずありません。急激に失速し、解散を余儀なくされてしまいました。

あわれ、ジェントル・ジャイアント。。。

生き残りのためとはいえ、魂を売り渡してしまっては存在意義はなくなってしまうのでしょう・・・。

最近になって、一部の旧メンバーが再結成し(「スリー・フレンズ」というバンド名)、古い曲を演ったりしているようです。ただ、中核メンバーのシャルマン兄弟が参加していないなど、なんとなく人間関係はうまく行ってなさそうな気がします。



それでは、Alucardによるリマスター7作品をまとめてご紹介します。



gentle-giant-octopus2ヴァーティゴ・レーベルの初期4作品と、1980年の「シビリアン」は今回のリマスター対象外ですが、過去にリマスターや紙ジャケが複数存在しています。

来月には、初期作品が日本で紙ジャケ・リイシューされるようですけれど、「日本人よる日本人のためだけの紙ジャケ・リマスターSHM-CD」に拒絶反応のあるでんど〜としましては、どうもおすすめしにくいです。また、独Repertoireの2004年前後のリマスターが比較的優秀なのですが、やや手に入りにくくなっているようです。


これらのアルバムもリスト・アップします。特に、1972年の「オクトパス」は、ジェントル・ジャイアントのコア・ファンの間では最高傑作とされる向きもあり、ぜひ聴いてみて欲しいです。



さあ、みなさんも、ジェントル・ジャイアントの孤高の世界に、どうぞハマってみて下さい!

認定!でんど〜のアカデミー賞!!

2010 年 2 月 15 日 コメントはありません

oscarsということで、アカデミー賞の作品賞候補10作品から、でんど〜が勝手にアカデミー賞、及び各作品のランキングを認定してしまいました。

でんど〜のアカデミー賞:第9地区

次点:ハート・ロッカー

以下順位:
プレシャス
カールじいさんの空飛ぶ家 (Up)
しあわせの隠れ場所 (The Blind Side)
マイレージ・マイライフ (Up in the Air)
17歳の肖像(An Education)

選外:
イングロリアス・バスターズ
ア・シリアス・マン
アバター

これはアカデミー賞の「受賞予想」ではなく、あくまで、10作品すべてを見た感想をもとに、でんど〜が率直かつ勝手に順位を決めたものであります。

・まず、「第9地区」。首位はゆるぎません。低予算なのに、ここまでリアルに迫るSF映画を作り上げたこと。まさにアバターの対極。

・おしくも次点は「ハート・ロッカー」。大作戦争映画とはひと味もふた味も異なるクールでリアルな肌触り。キャスリン・ビグロウ監督の勇気と嗅覚に乾杯!

・以下トップは「プレシャス」。テーマの深刻さ、ストーリーの衝撃度から言えば、10候補のなかで極北。

・「カールじいさんの空飛ぶ家」は、ピクサーのこれまでの快挙に敬意を表して。涙腺刺激度では筆頭。

・「しあわせの隠れ場所」は、ひたすらサンドラ・ブロックに主演女優賞をあげたいということ。もちろん映画も素敵です。

さて、選外:

・「イングロリアス・バスターズ」。タランティーノの復活は大いに喜ぶものの、本作の根底にある「悪ふざけ」にどうしても最後までついて行けず。娯楽作品としての完成度は高いが、オスカー候補としてはどうかということです。

・「ア・シリアス・マン」。単純に、コーエン兄弟は今回はパスでいいだろうということ。本人たちも、まったく想定していないでしょう。

・「アバター」。すでに語りつくしました。

以上、3月7日の本選発表を楽しみに!(結局、作品賞「アバター」、監督賞「ハート・ロッカー(キャスリン・ビグロウ)」なんだろうと予想していますが・・・)