ジノ・バネリ しぶといです。。。

2009 年 9 月 27 日 コメントはありません

gino70年代後半に、分厚いシンセを多用したプログレ/フュージョン的作風で話題を集めたジノ・バネリ。78年には「I Just Wanna Stop」という全米ヒットを飛ばし、人気もピークをむかえていました。

とにかく、この頃のジノ・バネリはやたらかっこいい!お兄さんのジョーの鉄壁のアレンジで、超絶技巧をかますバック・バンドに乗って、朗々と歌い上げるんである。わたしも、完全にいかれておりました。。。

いかにいかれていたかは、「音楽の殿堂」でどうぞ。

なんせジノ・バネリのすごいところは、ひたすら自己愛におぼれるナルシストの世界を隠そうともしないこと。音楽的には、売れようがなんだろうが徹底的に頑固であること。

ところが、もう少しでスーパースターになれそうだったのに、その頑固さも災いして、人気は急降下して行きます・・・。

わたしも、既に興味はほとんど失っているのですが、昔のよしみで、CDだけは買い続けてます。

で、今年、突然新作が出ました。「A Good Thing」というもので、近年の作品のなかではなかなか手応えがあります。

最近は、なぜか正当派ジャズの世界に入ってしまって、「生き残りのためには、似合わない世界でもやっぱしょうがないのかな」なんて思ってたんですが・・・。先月は、ラス・べガスでどさ回りしてたし・・・。

しぶといぞ、ジノ!

CDジャケットに、歌と関係ない自作の詩を23個ものせちゃったり、相変わらずの「空気読めない」ナルシズムがいっぱいのジノ。サバイバルのためには、むしろ「空気読めない」というか、「読まない」ぐらいでないとダメなのかもしれませんね。

頑張れ、ジノ・バネリ!

ビートルズのリマスターに想うこと

2009 年 9 月 27 日 コメント 2 件

beatles-box1今回のビートルズ・リマスター化で、ひじょうに良かったのは、「リマスターとはどうあるべきか」という点について、大いに考えさせてくれたことだと思います。

既に「聴き比べ」で述べましたが、「リマスターは、オリジナルを忠実に再現することを重視し、不要な加工を極力排除すること」につきます。

全体のたたずまいを整えるために、多少音圧等を調整する。原音に影響を及ぼさない範囲で雑音を除去する、等々。

その点、今回のビートルズのリマスターは、正にあるべき姿を示してくれた良心的な作品で、だからこそ「それほど変わらない」という評価で良いんでしょうし、それで正しいんです。


とにかく、巷には「よけいな細工を加えたリマスター」が多すぎます。

リミッターやコンプレッサーを掛けると音圧が上がり、音にパンチが増すような気がします。イコライザーで高音を上げると、シャキッと切れ味が増すような気がしますし、低音をブーストすれば、迫力が増すような気がします。

しかし、そういうものは本来、聴き手がそれぞれの環境に合わせて調節すれば良いもので、iPodのイコライザーを変えるとか、カーオーディオの設定を変えて、好きなように楽しめばいいんです。

リマスターをいじってしまうと、全てに色がついてしまい、元にもどることができません。

高音を上げすぎると、長く聴くのがつらいですし、音圧を上げすぎると音楽のニュアンス(ダイナミック・レンジ)が失われます。雑音の除去も、注意しないと原音を損なうケースがあります。

「耳が悪くなった年寄りは黙ってろ」という意見もあるようですが、「いいじゃねーか気持ちよきゃ」ってことでしょうか?悲しいです。年齢の話ではないのが分からないんですね・・・。

リマスターはCD作成の最終行程に近いので、専門のエンジニアに任されることが多いです。アーティスト自身がリマスタリングの現場に立ち会い指示するケースもありますが、多くは分担作業になります。

よって、本来エンジニアたちは「アーティストの想い」を忠実に再現すれば良いのであって、勝手に高音を上げたり、音圧をむやみに上げたりして良いはずがないんです。

ところが、残念なことに、そういったケースが散見されてきました。

わたしが問題だと思っているのが、特に日本製のCDに多いんですけれど、リマスターを行うエンジニアの名前や、スタジオの名前が明記されていないことです。

紙ジャケSHM-CDにあわせてリマスターが花盛りですが、CDのどこを見ても、どこの誰がやっているのか分からない場合が多いです。

海外では、例えば、バーニー・グランドマンボブ・ラドウィックなど超一流からはじまって、マスタリング・エンジニアの名前が書かれないことはまずありません。ゲイトウェイなど、スタジオ名も特定されます。責任の所在がはっきりしているということです。

ビートルズの今回のリマスターも、ガイ・マッセイら担当エンジニアがはっきりしていますし、場所はアビイ・ロード・スタジオです。あたり前です。

これが、EMIミュージック・ジャパンに丸投げされて、誰がリマスタリングしたか分からない、なんてことがあり得ますか?日本は、今回紙ジャケで立派に貢献したのですが、「音」そのものをいじるってことにはならないでしょう?



なぜ日本はそうなるのか?

ここからはちょっと悲しいんですけど、やっぱり「売らんかな主義」があると思います。

まず、日本人は高音と低音を強調したサウンドを好みます。これを「ドンシャリ」と言います。切れが良くて、迫力があると感じてしまう。オーディオ機器なども、それを反映しています。例えば、iPodソニーウォークマンを比べてみて下さい。すぐ分かります。

だったら、日本のCDを買わなければ良いんですが、初のリマスターが日本だけといったケースがあり、購入することになります。例えば、2007年のリトルフィートや2006年のバート・バカラックの一連のリマスターです。色づけがややきつく、少々残念な仕上がりだと思います。

しかし、日本のエンジニアの間でも議論はあるようで、例えば、今月号のストレンジデイズでは、葛巻喜郎氏による「エンジニアから見たビートルズのリマスター」に関し、非常に良心的な話が聞けます。ご苦労も多いようです。「リマスタリングの場合は、アーティストの意にそぐわないことをしてはいけない。エンジニアの影が見えない音ほど良い」という見識を示して下さいました。今後に期待ということでしょうか。

最後に、紙ジャケやSHM-CDについても言いたいことはたくさんありますが、結局、いちばん大事なのはCDそのものなんだということ。そして、世界的に認知されていない「高音質CD」を「売らんかな」でかつぐのは、ほどほどにしませんか?それが証拠に、ビートルズはSHM-CDなんて採用していないんですから。


「アンナ・カレーニナ」 どうも悩ましい・・・。

2009 年 9 月 26 日 コメントはありません

anna2「今さら名作シリーズ」ということで、今度はトルストイの「アンナ・カレーニナ」。「戦争と平和」とならび称される、ロシア文学の巨峰です。

考える人」が2008年春号で発表した「海外の長編小説ベスト100」では、12位の「戦争と平和」を上回り、堂々の8位。

ちなみに、トップ10は:
1:百年の孤独(ガルシア・マルケス)
2:失われた時を求めて(プルースト)
3:カラマーゾフの兄弟(ドストエフスキー)
4:ドン・キホーテ(セルバンテス)
5:城(カフカ)
6:罪と罰(ドストエフスキー)
7:白鯨(メルヴィル)
8:アンナ・カレーニナ(トルストイ)
9:審判(カフカ)
10:悪霊(ドストエフスキー)

光文社古典新訳文庫(望月哲男訳)は、非常に読みやすく、大きめの活字というのもあって、全四巻すいすい進みました。

さて、読後感をひとことで言えば、「壮大な物語を堪能したけれど、どうも最後まで感情移入し切れなかった」ということになります。「戦争と平和」の「お腹いっぱいの感動」といったのとは、比べるべくもないと・・・。


その最大の原因は、主人公アンナです。

まずは劇的に登場。あふれんばかりの美しさと、生き生きとしたパーソナリティで、これからの大河小説のヒロインとして、大きな魅力に輝きます。

ところが、いきなり早々、不倫にのめり込み、さすらいの「失楽園」へ。どうにも悩ましい状態が続いて、だんだん混沌へと・・・。一体なに?という展開なのであります。

アンナのナルシズムも色濃く感じ取れ、ただの自分勝手、空回りとしか思えないところが、つらいです。あまりヒロインが好きになれないんです・・・。

トルストイは、この物語に一体何を託したのか?「不道徳には必ず報いがある」というのがテーマとの説もありますが、そんな真正面の道徳劇なのか???

もう一本の幹をなすリョーヴィンのエピソードは、ロシアの農奴制の問題から、哲学・神の領域まで、どっしりとした展開に浸れるのですが、結局、アンナの「失楽園」との接点があまり感じられず、まったく独立のふたつの物語という印象が強くなってしまいます。それが作者の狙いのひとつなのでしょうが・・・。

池澤夏樹氏も、自著「世界文学を読みほどく」で、「困ったことに、僕はこの話が全然好きではないことがわかった」と述べており、その理由を、トルストイの「上から目線」で説明しています。トルストイは、その描く登場人物のすべてを把握しており、完全にコントロールできるという前提に立っている、ということ。確かに、登場人物たちが、広大な舞台の上でチェスのコマのように、作者の想いのまま動かされているという感覚は分かります。人物が、作者自身もの思いもよらない形で、枠を超えて躍動して行くような面白みに欠ける、といったことでしょう。

また、サマセット・モームも「読書案内」で、「念のため『アンナ・カレーニナ』と『戦争と平和』を読みかえしてみた結果、いまでは『戦争と平和』のほうが比較にならないほど偉大であると確信するに至った」と記しています。

う〜ん。どう考えたらいいんだろう・・・。

まあ、文学史に残る名作であることに変わりなく、その圧倒的な物語性は存分に楽しめますので、やはり、一度は読んでおく価値があるのはまちがいないでしょう。しっかり、お勧めしておきます。

アンナ・カレーニナ〈1〉 (光文社古典新訳文庫)

さて、同時に「失われた時を求めて」も読んでるんですが、これは難航してます・・・。全10巻のまだ4巻目。今年中は無理だろうな・・・。

ブログ名変更

2009 年 9 月 26 日 コメントはありません

sorry思うところありまして、ブログ名を変更させていただきます。
え?なにが違うんじゃ?
はい、前とひっくり返しただけです。。。


なにとぞ、よろしくお願い致します。

フランシス・ダナリーが動きはじめた!

2009 年 9 月 24 日 コメントはありません

itbitesイット・バイツ(It Bites)」ホントに好きでした。

というか、好きです。

80年代のプログレでは、ダントツでしょう。

大御所(ジェネシスイエスEL&Pピンク・フロイドキング・クリムゾン)に次ぐほど、と言ってもイイです(やっぱり、PFMフォーカスジェントル・ジャイアントの次ぐらいかな・・・)。

それぐらい、惚れ込んでおります。

最高傑作は、「ワンス・アラウンド・ザ・ワールド」。必聴です。

そのIt Bitesを引っ張って行ったのがフランシス・ダナリー

ピーター・ガブリエルを思わせる、ちょっとクスんだクセのあるヴォーカル(実際、フィル・コリンズ脱退後、ジェネシスのオーディションに参加)。あくまでもロック・フィーリングを失わない、エネルギッシュなギター・ワークで、「若さに満ちあふれた、ポップなプログレ」を展開してくれました。

フランシス・ダナリーは、90年にIt Bitesを脱退(最近、フランシス抜きで再結成しましたがイマイチです・・・)。

以降、これまでに8枚ほどソロ・アルバムを出してますけど、はっきり言って、売れてる状況とはほど遠いです。アコースティック・ギターの弾き語りといった、味はあるけど地味な活動ぶり。ロバート・プラントのツアーに参加したのが、ハイライトと言えるぐらいでしょうか。

ところが、2005年になって、動き始めます!

イエスクリス・スクワイアピーター・バンクスの在籍していた伝説のプログレ・バンド「The Syn」が再結成。そのツアーにダナリーが参加したというわけです。

さらに、The Synは今年に入ってニュー・アルバム「Big Sky」をリリース。フランシス・ダナリーが、プロデューサー、コンポーザー、ギタリストとして参画し、アコースティックな現代的プログレを生み出しました。

ところが、彼はまた脱退。。。今度は、「New Progressives」という、意味ありげな名前の新バンドを結成です。

要するに、ひとところに落ち着けないヒトなんですね。

とにかく、暴れはじめそうなフランシス・ダナリー。要注目です!

「ジュリー&ジュリア」おすすめです。

2009 年 9 月 21 日 コメントはありません

200px-julie_and_julia日本では11月公開予定の映画、「ジュリー&ジュリア」を観ました。ひじょうに良かったので、ぜひご覧下さい。わたし的には、今のところ、今年のベストと言ってしまうかと思っています(District 9と悩みます)。

メリル・ストリープ演じる料理家の実話に、新鋭エイミー・アダムスが絡み、とてもハート・ウォーミングなコメディー・タッチの物語となりました。

時間も場所も異なる二人の女性が、「フランス料理」というキーワードでつながっている。それぞれ、ちょっと人生につまずいたりしながら、自分の世界を見出して行く。やさしい夫や、友だちにささえられ・・・。わたしなど、歳のせいか、途中から涙腺がゆるみっぱなしで、困りました。。。

監督は「ユー・ガット・メール」、「めぐり遭えたら」などの「ロマ・コメの巨匠」、ノーラ・エフロン。興行収入は90億円に迫る勢いで、制作費の40億円をとっくに回収し、大ヒット中。Rotten Tomatoも74%の完熟トマトと、高い評価です。

予告編をご覧下さい:

メリル・ストリープが上手いのはあたり前。やり過ぎ一歩手前のところで、またプロの仕事を見せてくれました。

わたしが注目しているのは、エイミー・アダムスです。

最近、いちばんの上り調子といったら、彼女でしょう。

2007年のディズニー映画「魔法にかけられて」で主役を演じて以来、「ダウト」、「サンシャイン・クリーニング」といったヒット作に出演。ダウトでは、アカデミー賞助演女優賞にもノミネートされています。

決して、すごい美人とかセクシーといったわけじゃなく、どこにでもいそうな感じなんですが、とにかく「いたいけ」で「はかない」感じがなんとも言えません。強くて激しいアンジェリーナ・ジョリーの対極に位置すると言えましょうか・・・。

ひたすら清廉に生きる「修道女」、負け組みでもくじけない「がんばり屋さん」。そんな、ちょっと弱くて壊れそうだけど、皆に支えられながらまっすぐ生きて行く、といった女性をやらせたら、今、彼女がベストだと思います。

今回の、「ジュリー&ジュリア」でも、三十路を迎えるイマイチな毎日から、思わぬきっかけで道をみつけて行く。まさに、彼女にぴったりな役どころです。

さらに、ちょっと馬鹿っぽいお姫さまや、ヤクザの情婦など、意外と芸域も広く、なかなかの「演技派」とも言え、今後も大いに有望です。

ということで、いつもながら、良い「アメリカ映画」はほんとにイイですね。決して「トランスフォーマー」ばかりじゃないんです!


ビートルズ リマスター:やっと届きました、聴き比べました。

2009 年 9 月 19 日 コメントはありません

beatles_remaster-51ステレオ・セットもモノ・セットもようやく届きましたので、聴き比べです。

1. ステレオ・セットと87年版(旧)CD
・これは、思ってたほど(期待していたほど)違いが感じられません。例えば、「カム・トゥゲザー」。そんなに変わりました?
・多くの方が、「激変したので感激した」などとおっしゃっていますが、厳密に同じ環境で比べていらっしゃるのでしょうか?
・もちろん、全般に改善はしています。特に、ヴォーカルのリバーブ成分が少なめの(生っぽいオン気味の)曲や、アコースティック・ギターなど生楽器に顕著な気がします。例えば「ブラックバード」。音圧の向上も、上品ながら感じられます。
・これは、(1) 旧CDは、当時としてはすぐれたデジタル化だったこと、(2) 今回は、オリジナル・マスターを忠実に再現することを重視し、不必要な加工を極力排したこと、によるものじゃないかと思われます。
・そういう意味で、リミッターやイコライザーを無節操に追加しまくる、最近のリマスター化現象にも一石を投じる、非常に良心的な仕事と言えます(例えば、2000年の「1」は、今聴くとやや下品)。正に格調の高い定番リマスターとして、今後も末永く愛聴できるものでしょう。

2. ステレオとモノラル
・これは、やっぱり強烈です。とにかく、曲によってはステレオとモノで、つくり自体がぜんぜん違うんですから(例えば、「オブラディ・オブラダ」)。
・ただ、多くの方が「圧倒的にモノの方が良い」とおっしゃっていますが、これは「曲による」ような気がします。
・みんなの聞き慣れた極端なステレオ・ミックスの曲(ヴォーカルが完全に右など)は、モノラルの方がベターな気がしますけど、それなりにきちんとステレオ定位がなされている曲については、やはり音の分離やきめの細かさからステレオ版に軍配が上がると思います。モノラルの「音圧」というのも分かりますが、むしろ音が団子になっているので「迫力」と感じてしまう面が多いんじゃないでしょうか。
・尚、モノラル版の紙ジャケは、世界に冠たる日本の技術。ひたすら素晴らしいです。本当に、これで「アビー・ロード」も「レット・イット・ビー」も持てたら、どんなに良かったでしょう。一方、ステレオ版の雑なこと・・・。デジパックのつくりや写真製版のいい加減さなど、まったく「愛」が感じられません。
・ということで、どうしてもステレオとモノの両方を持っていないとならないってことになってしまいます。。。

以上、まだまだ、第一印象ということで・・・。

尚、ステレオ版は、アメリカから買うと「Made in the U.S.A」で「Capitol」のロゴまで入ってしまっているようです。イギリスから買っておいて、やっぱり正解でした。モノ・ボックスは、そういうことで全世界日本製なので、どこから買ってもいっしょ。例えば、英アマゾンなら、本日現在、£199.98(¥29.872)でまだ買えるみたいです。日本の馬鹿馬鹿しい値段を考えても、送料込みでおつりがくるはず(良くご確認下さい)。

これからも情報が入り次第、お知らせしたいと思います


Amazon UKのモノ・ボックスはこちら

ミケランジェリのドビュッシーは、空前絶後だ!

2009 年 9 月 14 日 コメントはありません

michelangelliアート・オブ・ノイズを再発掘しはじめたら、やっぱり「ドビュッシー」だろうと。

それで「ドビュッシー」なら、やっぱり「ミケランジェリ」しかいないだろうと。

私のもっとも好きなピアニスト、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ

また、また、はまってしまっております・・・。


ミケランジェリはイタリアのピアニストで、1995年に亡くなりました。やたらコンサートをすっぽかすなど奇行の持ち主として有名で、いわゆる「王道」という風には決して言われないヒトです。

でも、そんな世間の評価なんかどうでもいい。

とにかく、彼のドビュッシーは、空前絶後だ!


極地は、「映像 第1集」の冒頭、「水に映る影」です。

ピアノという楽器を極限まで磨き込みながら演奏する。静寂のなかを、はかり知れない陰影に富んだ、和声が広がってゆく。

繊細なんて生易しいもんじゃない。ほとんど狂気に近い、細部への徹底的なこだわり。
触れると、傷ついてしまいそうな。澄み切った緊張感のなかに咲きみだれる、「美」そのもの・・・。

こういうピアノは、とにかく聴いたことがありません。
え?ギーゼキングが最高?冗談じゃありません。本当に聴き比べたことあるんでしょうか?
は?グレン・グールド?かんべんして下さい・・・。
死ぬ前に一度でいいから、ミケランジェリを聴いてみて下さい。だまされたと思って。

「つまるところ人生とは、一冊の本、一曲の音楽、一人の女性を求める旅」

私は、ミケランジェリに出会いました。

「映像」に興味をお持ちの方はこちらから(ドビュッシー:前奏曲集 第1巻、映像第1集、第2集)
「音楽の殿堂」で、ミケランジェリへのさらに深い想いを・・・。


「ホーキング、宇宙を語る」読み直しました。

2009 年 9 月 12 日 コメントはありません

hawking

「超ひも理論」とか、「ループ量子重力理論」とか、物理学の色々な考え方があるようですが、根っこはこれだろうということで、また読み直しました。

「ホーキング、宇宙を語る」は1988年刊。全世界で1000万部以上、日本でも100万部を突破した大ベストセラーで、この手の本としては、まさに異例のヒットとなりました。

筋萎縮性側索硬化症という難病のせいで、車椅子の生活を余儀されながらも、スティーヴン・ホーキング博士は、理論物理学の分野で数々の貢献をなしとげ、67歳の現在もご健在な様子です。

で、これが「難しい」・・・。

こんなに難しかったかな??

なんで、こんなに難しい本が、ベストセラーになったんだろう???

当時、「ビッグ・バン」や「ブラック・ホール」という概念自体が珍しく、それを、とっつきやすい語り口で紹介してくれたということで、読者はみんな「なんとなく分かった」ような気分になったんでしょう。私も、そんな一人です。


さて、博士は、この中で、「相対性理論と量子力学との根本的矛盾が、近い将来解消され、大統合理論が生まれる気配」と述べていました。

そこで、最近の状況をちょっとおさらいしてみたんですが、そんな「大理論」は生まれていないどころか、「裸の特異点」や「量子もつれ」といった、さらに矛盾に満ちた現象が色々出て来ているようです。


ってことは、結局、まだ何も分かってないんだ・・・。


ホーキングやアインシュタインといった度はずれた天才が、一生を費やし、研究を重ねても、まだまだ、宇宙の神秘の本質に迫れない。というか、迫れば迫るほど謎が深まる。

DNA研究でも同じです。

宇宙誕生の秘密は分からないし、生命の起源も分からない。

その分からなさというのは、恐らく、我々の想像をはるかに超えて「分からない」んでしょう。


「神」と何度も書きながら、徹底した無神論者のホーキング。

「分からない」ということを、全部丸めて「神」で説明することだけはしない。

知の巨人たちの奮闘のひとつの証として、本書は今でも大きな価値を持っていると思います。

ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで (ハヤカワ文庫NF)

新iPod:がっかりです。

2009 年 9 月 11 日 コメントはありません

new-ipod昨日発表された、アップルの新iPod。

長く使ってたiPodが、つぎつぎに壊れたこともあって、買い替えようと、9月9日の発表を持ちに待ってたんです。

で、新Nano。

「ビデオ・カメラ内蔵」?

なにそれ。

わしゃ、音楽が聴きたいんじゃ!

え?

FMラジオ付き?

そんなもんいらん・・・。

容量は16GBどまり・・・。

これでは、魅力なしと、即、アップル・ストアから整備済みの旧バージョン(16GB 黒)を$129でゲット。大幅値下げです。日本でも、¥12,800に下がってますね。

音楽に関する性能や使い勝手は一切変わってないので、新バージョンを購入する理由は、私にはゼロ。

iPod Touchなんて、iPhoneあるからいらないし、ゲームやろうって気もしません。

音楽が聴きたいだけなんです!!!!

iPodも普及率が上がって、みんな持ってるので、さすがに売り上げが落ちてるようですね。そりゃそうだ、一家全員に一台づつなんてあたりまえですもんね。これ以上買う理由もない。。。。

でも、これじゃ魅力なさすぎでしょう!!!?実質、値下げ効果だけでしょう???!
どうした、アップル!!!!!!

私は、初代iPodから、熱烈に愛用し続け、何台買ったか覚えてません。

つねに、音楽を聴くのみ。

そもそも、iTuneの曲数が尋常じゃないです。

現在、53,887曲。

566 GBのデータです。ハードディスクは1TB。かなりの部分がApple のロスレス・ファイルです。

これを、もう一台の1TBのハードディスクにバックアップしてます。

さらに、別の2台(500GB)にMP3ファイル(320kbps)を入れてるので、計4台のハードディスクってことになる。

これを、iTuneでランダムに、毎週全曲入れながらiPodで聴き続けてるという・・・。家でも車でもどこでも・・・。

これって、ギネス・ブック級じゃないかと思うんですけど・・・???

ということで、ハードなiPodユーザーとしては、ちょっと物足りない、今回の新製品でした。


ところで、アップルはなぜ「高音質」のiPodといった、グレードの高いバージョンも出さないんでしょう?ソニーなど、プリアンプ搭載などして、音質を追求しているものも出ています。「ハイファイiPod」なんて、出せば売れると思うんですけどねー。高くてもイイから。

どうもアップルは、ビデオとか、ゲームとか、そっちの方に行っちゃいますね。


なお、音質向上には、みんな言ってますけど、ヘッドフォンを変えるのが確実で手っ取り早いですね。

私のは、インイヤー型のUltimate Ears TRIPLE.Fi 10 PRO。遍歴の果てにたどり着いたシロモノですので、ただただ優れています。全然、グレードのちがう音がします。

Ultimate Ears TRIPLE.Fi 10 PRO TF10PRO

それと最近、オーディオテクニカのノイズ・キャンセリング・ヘッドフォンATH-ANCの改良版も入手しました。まだ使い込んでませんが、ボーズの対抗馬として、実にしっかりした製品だと思います。これは飛行機用。

オーディオテクニカ アクティブノイズキャンセリングヘッドホン ATH-ANC7b IM


さてさて、久しぶりにiPodへの想いがほとばしってしまいましたが、最後に、「ウェルカム・バック・

スティーヴ・ジョブズ!」

あまりにもやせてて、ちょっと痛々しかったけど、ホントにうれしかった。。。

アップルも、「ポスト・ジョブズ」を真剣に考えないといけない段階に来てますけど、まずは、彼のカムバックを喜びましょう。