2010 年 1 月 1 日 Comments off
face1201聴かずに死ねるか?見ずに死ねるか?

  • 音楽も、映画も、本も。なんでも聴きたい、見たい、読みたい。
  • でも、短い人生。できるだけ回り道せず、名盤、名画、名作、残らず制覇したいものです。
  • そんな、欲張りな「でんど〜(殿堂?電動?伝道?)」の毎日を徒然に・・・。少しでも、みなさんのご参考になれば幸いです。

「ハート・ロッカー」アカデミー賞席巻!

2010 年 3 月 8 日 コメントはありません

kathryn-bigelow-best-director-oscar-academy-awardsjpg-8ad318cb03ce8bd4_mediumキャスリン・ビグローが監督賞というのは、だいたい世間の予想どおり。

すごいのは、作品賞までとったこと。アバターと痛み分けというのが大方の予想だったのに。

さらに、脚本賞、編集賞、録音賞、音響編集賞まで。全6部門を制覇。まさに、「ハート・ロッカー」の地滑り的勝利である。

すばらしい!

イラク戦争もので政治的に勝ったとか、初の女性監督賞という話題作りとか、色々いうヒトもいるけど、とにかくすばらしい!!

なんせ、あのアバターを破ったんだから!!!


そして、サンドラ・ブロックの主演女優賞。よかった、よかった!

今年のアカデミー賞は大納得です!

<「ハート・ロッカー」はじめ、映画のチケットは、こちらからどうぞ>

ピーター・ガブリエルの新作。正直、うんざりです・・・。

2010 年 3 月 7 日 コメントはありません

peter_gabriel_scratch_my_backピーター・ガブリエル8年ぶりの新作「スクラッチ・マイ・バック」。

初のカバー集ということで、デビッド・ボウイの「ヒーローズ」やポール・サイモンの「ボーイズ・イン・ザ・バブル」、レディオヘッドの「ストリート・スピリット」などをオーケストラをバックに歌います。

でんど〜としては、正直、ガッカリをとおり越してウンザリです。

その理由は:

  • 基本的にどの曲も、ピーター・ガブリエルが至近距離でつぶやくような「独唱」に近く、オーケストラのアレンジ自体にも特別の工夫なし。はっきり言って、余りにも単調で、退屈で眠くなる。
  • どの曲も、まさにピーター・ガブリエルの好みそうな曲ばかりで、アレンジも彼の雰囲気丸出しなので、そもそもカバーする必然性が感じられない。そこには、意外な組み合わせの妙も、斬新な切り口もない。

今回のカバー曲の作者に、ピーター・ガブリエルの曲を逆にカバーすることを持ちかけ、「相互カバー集」とする計画も進めているそうです。アイデア自体悪くはないんですが、なんだかその方法論自体にピーターの興味が集中しているようで、どうなんでしょうか?そもそも逆カバーを持ち掛けられたアーティストもちょっと困ってるんじゃないかなあ。デヴィッド・ボウイは断ったって言うし・・・。



でんど〜にとって、ピーター・ガブリエルはアイドル中のアイドルであります。


彼の在籍していた時代のジェネシスは、プログレという狭いジャンルを超え、あらゆるロック界の頂点に立つ存在だったとすら思います。

ソロになってからも、ピーター・ガブリエルは野心的実験的な作品を次々に生み出し、ロックの地平線を確実に拡大して行きました。

1983年の「プレイズ・ライブ」は、それまでのソロ・キャリアを集大成した傑作です。そのエネルギーと実験性。アフリカの密林の中で未来と過去が交錯し、人間と超人が死闘を繰り広げるような、誰も描いたことのないポリ・リズムにあふれた世界がそこに立ち現れています。

そして、1986年の「So」。全米2位。売り上げ500万枚以上の大ヒットとなりました。彼の努力は大きく報われたんです。

しかし、「So」をピークに、ピーター・ガブリエルの表現者としての個性は大きく変質して行きます。

1992年の「Us」、2002年の「Up」と極端に寡作となり、合間合間に映画のサウンド・トラックを発表する程度。

その間、しだいに鼻について行ったのは、「襟を正して聴け」とばかりの権威を全面に押し出した自意識。芸術家然としてふんぞり返った自己満足とナルシズムです。どの作品も、もったいぶって、大げさで、偉そうで、権威ぶって、どうもいただけません。


でんど〜は、ミュージシャンが音楽そのもの以外に力を入れるのを忌み嫌います。功成り名を遂げたミュージシャンが、急に芸術家気取りになったり、政治や社会的活動に走ったりするのを嫌悪します。

例えば、U2ボノスティング

peter-gabrielそして、人権運動に熱心なピーター・ガブリエルも、今やそういったにおいがプンプンします。

ピーター・ガブリエルは、英国パブリック・スクール出の上流階級のボンボンです。もともと、ロック界には希有な知性も教養も育ちも兼ねそなえたエリートです。

そんな彼だって、昔はこんなカッコして歌ってたんだから。

ミュージシャンの原点は「河原乞食」ではないか?ひとさまに自分の芸を喜んでもらい、お代をいただいてなんぼだと。

ミュージシャンは音楽で勝負しろ。金持ちになってから恩返しみたいに慈善事業やったり、地球温暖化や人権問題なんか語るな。大御所面して偉そうにするな。表現の方法論に逃げるな。音楽そのものでリスナーを感動させられなくなったら去れ!


特に、ピーターの「権威」が鼻につきはじめたのは、彼の脱退後、ジェネシスがフィル・コリンズをヴォーカルにして猛烈に売れはじめた時期と重なるよう思われます。自分がリーダーだと思っていたバンドが、自分が辞めても何事もなかったように大成功しちゃってる。これは衝撃的だったはずです。自我の崩壊をまねくでしょう。すると彼は、「単に売れる」というのとちがうところに目標を置く。置かざるを得ない。そうしないと自己実現が図れなかったのではないか?ピンク・フロイドロジャー・ウォーターズなんかも同じような感じがします。

どうしちゃったのピーター?本当はもうすっかり枯れちゃったんじゃないの??

ジェネシスの再結成の噂もずっとありますが、ピーター・ガブリエルが了承しないので実現していません。そこに、自らが状況をコントロールし悦に入っている彼の自己満足をみると言ったら嫌味すぎるでしょうか?

でんど〜としては、ピーターに早くそんな世界から目覚めて、一度でいいからジェネシスのリユニオン・コンサートをやってもらいたいものです。昔のように仮面かぶって、踊り踊って、「眩惑のブロードウェイ」の大パフォーマンスを。

もしやってくれるなら、地球上どこでも飛んで行くのに・・・。


さて、それでもコレを聴いてみようという方は:

「スクラッチ・マイ・バック」

ピーター・ガブリエルの最盛期のパフォーマンスに興味がある方は:
「プレイズ・ライヴ」

キャリアのピークを極めたのが:
「So」

ジェントル・ジャイアントのリマスター決定版?

2010 年 2 月 28 日 コメント 2 件

gentle_giant-free-handジェントル・ジャイアントは、一般の知名度はものすごく低いんですが、いわゆる5大プログレに次ぐ、堂々たる存在だと思います。

プログレッシブ・ロック界のランキングを勝手に認定すると、こんな感じでしょうか:

1位:ジェネシスピーター・ガブリエル在籍時限定)
2位:イエスビル・ブラッフォード在籍時限定)
3位:ピンク・フロイド
4位:エマーソン、レイク&パーマー
5位:キング・クリムゾン
6位:フォーカス
7位:P.F.M.
8位:ジェントル・ジャイアント
9位:U.K.
10位:イット・バイツ

ジェントル・ジャイアントの魅力を要約すると:

  • 妥協を知らない音楽性の追求。
  • メンバー全員のものすごい演奏力。管楽器、弦楽器、打楽器、ヴォーカルを巧みにこなし、ライブでパートをとっかえひっかえ合奏・合唱するさまは曲芸のよう。「音のスーパー・サーカス」とも言われる。
  • 中世ヨーロッパの宗教音楽をベースにしたような独特な世界感。ほかのプログレが、いわゆるクラシックの王道を下敷きにしたのと決定的に異なる。
  • メロトロンが壮大にコードを奏でるといった、プログレのお決まりパターンにはまらず、細かいパーツを組み上げて行くような独特な曲構成。ジャズやファンクにも通じるリズミカルな乗りから、嵐のような変拍子まで、これまた空前絶後。

ということで、ある種「変態的」とも言える強烈な個性です。ルックス的には、ぜんぜんイケてないし(ほとんど、中世の旅芸人)、ヴォーカルは気持ち悪いの一歩手前。拒絶反応が出ちゃうと、ちょっと苦しいかも・・・。

でも、一度ハマると、とことん行ってしまいます。でんど〜は完全にハマってしまいました。。。

彼らの仰天ステージを、少しのぞいてみましょう:

ジェントル・ジャイアントの活動期間は、1970年のデビューから約10年間。11枚のスタジオ・アルバムと1枚のオフィシャル・ライブを出したのですが、レーベルが複数にまたがる上、権利関係などが今ひとつはっきりしないようで、全作品を横断するリマスターの決定版は、残念ながらまだ存在していません。

今回は、中後期の7作品がリマスターされました。

発売元のAlucard Recordsは、創設メンバーのケリー・ミネアが興したレーベル。ホームページによると、「原盤権が自分たちに戻ってきたので、可能な限りオリジナル・マスターに忠実にリマスターし販売することにした」とのこと。ジャケットに「オリジナルの1/4インチ・マスター・テープから、24bit 96kHzでリマスター」と明記されており、力が入っているのが分かります。

実際に聴いたところでは、不必要な色づけの少ない非常に優れたリマスターと感じられます。「ビートルズのリマスターにも似た良心的な仕事」との評価も見受けます。2005年、創設メンバーのデレク・シャルマンのレーベルDRT Entertainmentが、この時期のアルバムを「35周年記念リマスター」として発表していますが、音質的には今回のAlucardの方がベターという評価のようです(ただし、今回ボーナス・トラックが一切なしというのは、ちょっとさびしい・・・)。


さて、まず何と言っても、1975年の「フリー・ハンド」。

全米アルバム・チャート48位と、ジェントル・ジャイアントとしては史上最高位。名実共に彼らの最高傑作と言えるでしょう。

この「フリー・ハンド」に、彼らの強烈な個性はすべて出そろっています。パズルを組み立てたような、複雑怪奇な曲構成。人間技を超えた楽器の演奏力とコーラス・ワーク。中世クラシック風味とビシバシ変拍子。ファンキーでちょっと不気味にポップ・・・。

これにピンとこなかったら、ジェントル・ジャイアントはパスして下さい。

もし気に入ったら、1977年の「プレイング・ザ・フール」。全米89位。彼らの最盛期をとらえたライブ盤で、代表曲は、すべて網羅されています。


ジェントル・ジャイアントの最高傑作「フリー・ハンド」のリマスターはこちらから

ジェントル・ジャイアントの悶絶ライヴ「プレイング・ザ・フール」はこちらから


このジェントル・ジャイアントも、70年代後半に入ると苦難の道に入ります。

イエスなどのプログレが、ポップで聴きやすい方向に路線変更しつつ、それなりに生き残って行った中で、ジェントル・ジャイアントは、うまく変身できませんでした。アメリカのレーベル「クリサリス」に移籍して以降、作品としては76年の「インタヴュー」ぐらいから、どうもおかしくなっちゃいます。

慣れないポップをやらされて、のたうち回り苦しむジェントル・ジャイアント。

もともとが「中世の旅芸人」です。ポップになれるはずありません。急激に失速し、解散を余儀なくされてしまいました。

あわれ、ジェントル・ジャイアント。。。

生き残りのためとはいえ、魂を売り渡してしまっては存在意義はなくなってしまうのでしょう・・・。

最近になって、一部の旧メンバーが再結成し(「スリー・フレンズ」というバンド名)、古い曲を演ったりしているようです。ただ、中核メンバーのシャルマン兄弟が参加していないなど、なんとなく人間関係はうまく行ってなさそうな気がします。



それでは、Alucardによるリマスター7作品をまとめてご紹介します。



gentle-giant-octopus2ヴァーティゴ・レーベルの初期4作品と、1980年の「シビリアン」は今回のリマスター対象外ですが、過去にリマスターや紙ジャケが複数存在しています。

来月には、初期作品が日本で紙ジャケ・リイシューされるようですけれど、「日本人よる日本人のためだけの紙ジャケ・リマスターSHM-CD」に拒絶反応のあるでんど〜としましては、どうもおすすめしにくいです。また、独Repertoireの2004年前後のリマスターが比較的優秀なのですが、やや手に入りにくくなっているようです。


これらのアルバムもリスト・アップします。特に、1972年の「オクトパス」は、ジェントル・ジャイアントのコア・ファンの間では最高傑作とされる向きもあり、ぜひ聴いてみて欲しいです。



さあ、みなさんも、ジェントル・ジャイアントの孤高の世界に、どうぞハマってみて下さい!

認定!でんど〜のアカデミー賞!!

2010 年 2 月 15 日 コメントはありません

oscarsということで、アカデミー賞の作品賞候補10作品から、でんど〜が勝手にアカデミー賞、及び各作品のランキングを認定してしまいました。

でんど〜のアカデミー賞:第9地区

次点:ハート・ロッカー

以下順位:
プレシャス
カールじいさんの空飛ぶ家 (Up)
しあわせの隠れ場所 (The Blind Side)
マイレージ・マイライフ (Up in the Air)
17歳の肖像(An Education)

選外:
イングロリアス・バスターズ
ア・シリアス・マン
アバター

これはアカデミー賞の「受賞予想」ではなく、あくまで、10作品すべてを見た感想をもとに、でんど〜が率直かつ勝手に順位を決めたものであります。

・まず、「第9地区」。首位はゆるぎません。低予算なのに、ここまでリアルに迫るSF映画を作り上げたこと。まさにアバターの対極。

・おしくも次点は「ハート・ロッカー」。大作戦争映画とはひと味もふた味も異なるクールでリアルな肌触り。キャスリン・ビグロウ監督の勇気と嗅覚に乾杯!

・以下トップは「プレシャス」。テーマの深刻さ、ストーリーの衝撃度から言えば、10候補のなかで極北。

・「カールじいさんの空飛ぶ家」は、ピクサーのこれまでの快挙に敬意を表して。涙腺刺激度では筆頭。

・「しあわせの隠れ場所」は、ひたすらサンドラ・ブロックに主演女優賞をあげたいということ。もちろん映画も素敵です。

さて、選外:

・「イングロリアス・バスターズ」。タランティーノの復活は大いに喜ぶものの、本作の根底にある「悪ふざけ」にどうしても最後までついて行けず。娯楽作品としての完成度は高いが、オスカー候補としてはどうかということです。

・「ア・シリアス・マン」。単純に、コーエン兄弟は今回はパスでいいだろうということ。本人たちも、まったく想定していないでしょう。

・「アバター」。すでに語りつくしました。

以上、3月7日の本選発表を楽しみに!(結局、作品賞「アバター」、監督賞「ハート・ロッカー(キャスリン・ビグロウ)」なんだろうと予想していますが・・・)


そして、「プレシャス」見ました。

2010 年 2 月 15 日 コメントはありません

preciousアカデミー賞の候補作品をすべて見てしまおうという試みですが、ついに10作め、「プレシャス」にて完走しました。

原題を「Precious: Based on the Novel “Push” by Sapphire」と言い、1996年に発表されたサファイアという女流作家の小説「プッシュ」を映画化したものです。

これには衝撃を受けました。

ハーレムの黒人貧困家庭に住む16歳の少女プレシャス。彼女の身の上と毎日の生活は、我々の想像を超えてタフ。というか、想像を絶します。「プレシャス(いとしい、かわいい、貴重な)」という、主人公の名前自体が哀れをさそいます・・・。

悲惨な上にも悲惨。幼い頃からの夢を胸に描く、彼女の明日に光明はあるのか?

主役は、本作でデビューするガボレイ・シディビー。オスカー主演女優賞にも堂々のノミネート。ほかに、母親役のモ・ニークも助演女優賞の候補に。マライア・キャリーがノーメイクで出演しているのも話題です。

アカデミー賞以外にも、ゴールデン・グローブ賞ほか軒並みノミネート。ロングラン上映で、売り上げ50億円にせまる勢いです。オープラ・ウィンフリーなど黒人社会のオピニオン・リーダーたちの絶大なバックアップも受けており、なかなかヘヴィー級のオスカー候補作品と言えます。

つらくて、厳しくて、たまらない映画ですが、米国社会の病巣を描くだけではない、人間性の根源に触れるドラマ。見ておく価値は大きいと思います。

日本ではゴールデン・ウィークに公開予定のようです。

カールじいさんの空飛ぶ家(「Up」)見ました

2010 年 2 月 15 日 コメントはありません

up遅ればせながら、「カールじいさんの空飛ぶ家 (Up)」をレンタル・ブルーレイで見ました。

いや〜、ホントよかったー。

ピクサーまたやってくれたな。ありがとー、って感じです。

冒頭の10分ぐらいのエピソードで、完全に胸キュンです。目頭熱くなりっぱなし。アニメ映像にはさらに磨きがかかり、完璧を超えています。3D版を劇場で見れなかったのが残念です。

世界興収はすでに700億円を突破。Rotten Tomatoの評価は98%です!

アカデミーにも作品賞を含む5部門でノミネート。アニメが作品賞の候補になるのは、ディズニーの「美女と野獣」以来、史上2回目だそうです。

ピクサーには本当に感心させられます。これだけ質の高い作品をコンスタントに発表し続け、ぜんぶメガ・ヒットさせてしまう。ディズニーに買収されたあとも、しっかりその精神を受け継いで。スティーヴ・ジョブズの精神を。

ただ、最近ちょっとどうかなと思うところもありました。

WALL・Eウォーリー)」です。

あれは良くなかったですね。無理矢理のセンチメンタリズムに、ぜんぜん感情移入できませんでした。まさにディズニー的な「感傷」で、「こりゃやばいぞ、やっぱり買収されちゃったからだ」とも思いました。どんなにヒットしようが、アカデミー(長編アニメ映画賞)を穫ろうが、あれはイマイチでした。

ピクサーは、CGアニメの黎明期から無謀といわれるような冒険を続け、映像の革新を成し遂げてきました。

でも、常にそのコアにあるのはストーリーなんです。どの作品も、脚本を練りに練る。一本平均で2年はもみにもむそうです。だから面白いんです。だから感動できるんです(「映像」しかないアバターに反省してもらいたいです。しつこくてすみません)。

そう意味で、「カールじいさんの空飛ぶ家」のすごいところは、「おじいさん」が主人公ということでしょう。老人が主人公の映画で、これほどヒットした作品ってあったでしょうか?「ドライヴィング・ミス・デイジー」?。そこに、ピクサーの挑戦者魂を見ます。大きなリスクをとっています。

すべてを成功に導いたのは、やはりストーリーでしょう。(ただ、ちょっと課題はあります。冒頭のエピソードは最高なのですが、それ以降ややありきたり。それなりに冒険物語にしないといけないという、「おきまりの構図」。まあしょうがないですけどね。大ヒットを運命づけられてるんですから。)

オスカーの作品賞まで穫ることはないでしょうけれど、どこまで頑張るか。3月7日がまた楽しみになってきました。


さて、ピクサー・アニメーション・スタジオのこれまでの作品(長編のみ)のリストです。でんど〜が特に愛するのは「ファインディング・ニモ」と「Mr. インクレディブル」。あまりにも素晴らしくて、素晴らしくて・・・。(< >は世界興行収入。単位:百万ドル)

・トイ・ストーリー Toy Story (1995年)<$359>
・バグズ・ライフ A Bug’s Life (1998年)<$358>
・トイ・ストーリー2 Toy Story 2 (1999年)<$485>
・モンスターズ・インク Monsters, Inc. (2001年)<$524>
・ファインディング・ニモ Finding Nemo (2003年) <$853>
・Mr.インクレディブル The Incredibles (2004年)<$631>
・カーズ Cars (2006年)<$462>
・レミーのおいしいレストラン Ratatouille (2007年)<$621>
・WALL・E/ウォーリー WALL-E(2008年)<$534>
・カールじいさんの空飛ぶ家 Up(2009年)<$723>


パット・メセニーの新作「オーケストリオン」 いただけません。。。

2010 年 2 月 14 日 コメントはありません

pat-metheny-orchestrion1パット・メセニーのソロ新作は、「オーケストリオン」という「生楽器の自動音楽演奏装置」をフィーチャーしています。

これは、まさにジャケット写真のとおりで、オルゴールとか、西部劇に出てくる紙のロールで自動演奏するピアノとかのイメージでしょう。コンピューターなど現代の機器を一切使わず、たくさんの生楽器をパットが一人であやつり、合奏するというところが味噌のようです。

興味津々で聴いた「意欲作」。

まず、「あれっ?これって、いつものパット・メセニーと同じじゃないの?雰囲気といい、楽曲構成といい・・・。」というのが第一印象です。

となると、大きな疑問が湧いてきます。

「パットはなぜ、一人で苦労してこんな大仕掛けで、いつもと同じような音楽を演ってるの?」と。

ほかの人間と合奏するよりも、コンピューターでやるよりも、この機械の方が「良い演奏、良い音」、あるいは「独特な演奏」ができるなら分かるんです。でも、出来上がった音楽は、いつもと同じようで、いつもよりは特に良くありません。リズムも平坦ですし、ニュアンスにも多少欠けます。あたり前です。機械の自動演奏なんですから。

とすると、一体なんだ??まさか、パットの自己満足???ひょっとして、エコロジーとか、地球にやさしいとか???そいつは嫌ですね。パットも、功成り名を遂げて、そんなことにしか興味が湧かなくなったのか?

パット・メセニーはいつも生真面目で、優等生だから、いつかそっちの方に行ってしまうんじゃないかと恐れてました。ミュージシャンは、その生み出す音楽が全てなのであって、その「過程」には一切意味はないのですよ、パット・・・。

パット・メセニーって偉大なワン・パターンなんだと思います。ギターの音色はデビュー以来一切変わりません。作曲のコア部分も、実は同じです。そこを、ライル・メイズと一緒に格闘してきたんですが、その方向は基本的に「複雑化、大規模化」でした。その極地が、2005年の「ザ・ウェイ・アップ」。ただ、これも一見斬新に聴こえますが、実は今までの彼の音楽を極限まで複雑・多重化しただけで、そこに音楽の「革新」はなかったんです。

結局、パットの最高傑作は「サン・ロレンツォ」。ピークは、80年代終わりの「レター・フロム・ホーム」の頃まで。それ以降、実はどんどん煮詰まって行く過程だったんじゃないか?。誰よりも、パット自身が、それを自覚してるんじゃないか?

そう想って聴くと、深刻です。

その解決策が、「一人で自動演奏」というのはが違うんじゃないか、ということです。ワン・パターンならむしろ、もっと多くの異能のミュージシャンと他流試合をするとか?たとえば、チック・コリアがバンジョーの名手ベラ・フレックと演ったように。

4月公演のチケットも入手しました。この自動機械楽団を、とくと見定めてやろうじゃないの。結論をはそれからかな・・・。

頑張れ、パット!


それでも、「オーケストリオン」を聴いてみようかという方はこちらです。

コーエン兄弟の「ア・シリアス・マン(A Serious Man)」見ました。

2010 年 2 月 14 日 コメントはありません

a-serious-manアカデミー賞候補にもなっている、コーエン兄弟の新作「ア・シリアス・マンA Serious Man)」を見ました。

ひとことで言って、「ユダヤ漬け」の特異な映画です。

ユダヤ人であるコーエン兄弟が、アメリカのユダヤ人ファミリーを題材に、ユダヤ人の風習・風俗をおりまぜて、徹底的にユダヤまみれの世界を描きます。

ユダヤ人でないでんど〜には、ただ異様というだけで、ほとんど何も理解できない状態です。アメリカの批評家たちのあいだでも、「いくら何でもユダヤすぎる」「しかも、ユダヤ人を馬鹿にしてる」といった声が上がっているようです。

日本での公開予定も、まったく無いようですね。

なら、なんで、これがアカデミー賞候補なの?

ストーリーはいつものコーエン兄弟丸出しで、少し歯車が狂いだしたら、どんどんおかしくなって行き、最後は大きな悲劇が待っている(待っていそう)というもの。でも、全体的に、おもしろおかしく組み立てられて、摩訶不思議な気持ちになって、劇場をあとにするという。人間社会の不条理。ま、そういうことなんでしょう。

2007年、「ノーカントリー」でアカデミー賞3部門を獲得したコーエン兄弟。富も名声も完全に手中に収めました。

その彼らがシャレで作った映画。それが、この「A Serious Man」なんだと思います。完全に脱力気味に、深く考えず、作り飛ばしたと。

それでも、ここまでの完成度を達成し、一貫したメッセージ性を生み出し、オスカーにもノミネートされてしまう。

コーエン兄弟の底力、恐るべし・・・。

さて、でんど〜の好きな順にコーエン兄弟の作品を並べました。どれもこれも傑作としか言いようがありません。ご参考にどうぞ:

1 1996年 『ファーゴ』 - Fargo
2 1991年 『バートン・フィンク』 - Barton Fink
3 2007年 『ノーカントリー』 - No Country for Old Man
4 1994年 『未来は今』 - The Hudsucker Proxy
5 1990年 『ミラーズ・クロッシング』 - Miller’s Crossing
6 2008年 『バーン・アフター・リーディング』 - Burn After Reading
7 2000年 『オー・ブラザー!』 - O Brother, Where Art Thou?
8 1987年 『赤ちゃん泥棒』 - Raising Arizona
9 1984年 『ブラッド・シンプル』 - Blood Simple
101998年 『ビッグ・リボウスキ』 - The Big Lebowski

アラン・ホールズワース 新盤「ライヴ」出ました!

2010 年 2 月 13 日 コメント 3 件

holdsworth_tony我が愛する、史上最高のギタリストアラン・ホールズワース。新盤ライヴ2枚組CD、「Blues for Tony」が届きました。

といっても、これは2006年のパフォーマンス。故トニー・ウィリアムスをしのんで、縁あるメンバーが集まったもの。2007年に発売されたDVD「Allanholdswroth & Alan Pasqua」と同じ次期、同じメンバーです。

ただしDVDが、2006年9月29日、カリフォルニア、オークランドの「Yoshi’s Jazz & Sushi Club」でのステージを収録したのに対し、CDはこのツアーからベストな演奏をピックアップし編集。従って、音自体は別であります。

ファンなら、当然、DVD & CD両方持っていなければなりません。。。

メンバーは、キーボードにアラン・パスクァ、ドラムがチャド・ワッカーマン、ベースがイエロー・ジャケッツジム・ハスリップ。悪かろうはずないでしょう。

曲目は次のとおりで、CDとDVDともほぼ同じですが、CDの方が2曲多くなっています:

CD1
1. Blues for Tony
2. The Fifth
3. It Must Be Jazz
4. Fred (*)
5. Guitar Intro(CDのみ)
6. Pud Wud

CD2
1. Looking Glass
2. To Jaki, Geroge and Thad(CDのみ)
3. San Michele
4. Protocosmos (*)
5. Red Alert (*)


アラン・ホールズワースの通常のライヴと異なるのは、これが、70年代中盤に2枚のアルバム(75年「Believe It」76年「The Million Dollar Legs」)を残したトニー・ウィリアムスのフュージョンバンド、「ニュー・ライフタイム」の曲(*マーク)を中心にしていることです。

特に、当時の同僚アラン・パスクァのキーボードが結構目立つので、少々雰囲気は異なります。ただ、パスクァのプレイ自体はエレピ中心で、いかにも(フランス系?)白人の大学助教授という品の良いもの。違和感は全くありません。

ホールズワースの代表曲「Pud Wud」と「Looking Glass」もあり、結局ホールズワースが弾きまくってしまうので、全体的に彼の色一色にほぼ染まっています。

さらに、盟友チャド・ワッカーマンが加われば、もう丸っきり二人のあの世界です。

トニー・ウィリアムスは、言うまでもなく、マイルス・デイヴィスを支えた名ドラマーなのですが、時代がフュージョンに移行する中で、その波に乗り切れず、晩年はイマイチ活躍できませんでした。彼の問題は、4ビートでは天才的なのに、16ビートは全くダメだったこと。チャド・ワッカーマンが叩くと、当時の曲も別の作品のように生き生きとして来るのが、何とも皮肉であります。

CDは録音状態も非常に良く、アラン・ホールズワースの正規盤ライブとしては、最新鋭の音を堪能することができます。


新盤ライヴ「Blues for Tony」はこちらから

ライヴDVDはこちらです

ニュー・トニー・ウィリアムズ・ライフタイムはこちら



ところで、こんな映像を見つけました。

ホールズワースがテリー・ボジオと演ってる・・・。ベースはトニー・レヴィン?!その名も、「Terry Bozzio - Holdsworth -Levin -Mastelotto」。。。。むむむ、なんとすさまじい・・・。あれ?、これ日本?え?2008年からこのメンツで演ってるの?

ぜんぜん、知らなかった・・・。

最近は、西海岸の方を回っているらしい・・・。見たい。なにがなんでも見たい・・・。(それにしても、マステロットさんの姿が見えませんね。そりゃ、テリーがこんだけスペースとっちゃうと、ステージにも乗らなかったでしょう。だいたい、なんでツイン・ドラムにする必要あるの・・・?)

「ハート・ロッカー」アバターを倒すか?

2010 年 2 月 9 日 コメントはありません

hurt-lockerアカデミー賞は、予想どおり「アバター」が圧倒的に優勢なのですが、「ハート・ロッカー」を押す声も増しており、ここへ来て「五分五分」という予想すら出てきました。

例えば、今週号のTIMEでは、アカデミー賞候補の10作品を、次のように受賞の可能性順に並べています:

1 アバター
2 ハート・ロッカー
3 イングロリアス・バスターズ
4 プレシャス
5 マイレージ・マイライフ
6 第9地区
7 17歳の肖像
8 カールじいさんの空飛ぶ家
9 しあわせの隠れ場所
10ア・シリアス・マン

その上で、「ハート・ロッカーは、米軍の爆弾処理班を描いたその爆発的な戦争ドラマで、オスカーを懸けアバターと互角に戦うことだろう」と、事実上の一騎打ちを予想。

実際、ハート・ロッカーは、アバターと同数の9部門にノミネート(作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞、撮影賞、編集賞、作曲賞、音響編集賞、録音賞)。また、オスカーを占うとされるアメリカ製作者組合(PGA)賞も、先日、堂々受賞しています。

まさに、強力な対抗馬におどり出たハート・ロッカー!

特に、イラクからアフガニスタンまで、戦争状態を続けるアメリカの世評にも合うと、その優位を予想する向きも。

さらに、キャスリン・ビグロー監督が、ジェームズ・キャメロンの別れた奥さんというのも話題のひとつ。彼女が監督賞、キャメロンが作品賞、またはその逆で、痛み分けという予想もあります。

なにもかも対照的な「アバター」と「ハート・ロッカー」。前者が世界売り上げ2000億円を突破したのに、後者はたったの10億円弱。もし「ハート・ロッカー」が受賞すれば、史上最も売り上げの少ないオスカー作品という栄誉も手にするそうです。

でんど〜も、「ハート・ロッカー」のリアルでクールな戦争描写に脱帽しました。宿敵(?)「アバター」を倒してくれるなら、こんなに痛快なことはありません。

アカデミー賞の発表は3月7日です!

(日本でも、いよいよ3月6日に公開。みなさん、なにがなんでも見て下さい!!)





<映画のチケットは、こちらからどうぞ>

アカデミー賞候補「17歳の肖像(An Education)」見ました。

2010 年 2 月 8 日 コメントはありません

an-educationアカデミー賞の候補作品については、すでにご存知のとおりですが、でんど〜は、3月7日の発表までに、候補10作品をぜんぶ見てしまおうと思っております(どうせ、アバターで決まりだろうけど・・・)。

残るは次の四つ:

17歳の肖像(An Education)
プレシャス
ア・シリアス・マン
カールじいさんの空飛ぶ家 (Up)

ということで、まず「17歳」。

イギリスの女子高校生が年上の男性と恋に落ち、突然、経験したことのない大人の世界に旅立って行くのですが・・・。なかなか素敵で、ロマンチックな作品であります。

最大の魅力は、主演のキャリー・マリガン。24歳で、ちょっと高校生役はつらいところもあるけれど、とても可憐で知的なヒロインを演じました。主演女優賞にもノミネート。将来楽しみな新星と言えます。

ただ、ストーリー自体はやや無理があるような気がしたのと、彼女の恋人役(ピーター・サースガード)があまりにも中年っぽくって・・・。ちょっとどうかなという感じです。アカデミーは、まあ候補どまりでしょう。

日本でも4月公開のようですね。もちろん、見ておいて損はない作品です。

さて、次は?

<映画のチケットは、こちらからどうぞ>

ザ・フー:スーパー・ボールに登場!

2010 年 2 月 8 日 コメントはありません

the_who1フロリダで開催された「スーパー・ボール」。

アメリカ中を騒がす最大のフットボール・イベントですが、ゲームの前半と後半を結ぶ「ハーフタイム・ショー」も大きな話題です。

去年はブルース・スプリングスティーン、一昨年はトム・ペティー、2007年プリンス、2006年ローリング・ストーンズ、2005年ポール・マッカートニーといったキラ星のような面々がステージを飾ってきました。

そして、今年は「ザ・フー」。

「えっ?フー??」正直そう思いました。

もちろん、我ら世代からすると文句なしの大御所なのですが、全国放送のTVショーに「今」出るって、はっきり言ってそれほど知名度あるの?世代的にも、ほんとにイイの?という、心配にも似た気持ちです。アメリカの若い連中に聞いてみても、みな「ザ・フーって誰?」って感じで、ほとんど知られてません・・・。「確か、死んだですよね?」とか。。。


大丈夫かなー。


で、ザ・フーのパフォーマンスですが、まず、強烈なカラー照明の円形ステージにびっくり。さすが金かかってる。ピート・タウンゼントの生ギターのカッティングから「ピンボールの魔術師」で幕を開け、「ババ・オライリー」「フー・アー・ユー」「シーミー・フィールミー」「無法の世界」と代表曲を立て続けに演奏。ひたすら疾走の15分弱でありました。もう、受けてるとか受けてないとか関係ありません。会場から合唱が出たりして、それなりに盛り上がっているよう(映像をどうぞ)。

その後いろいろサーチしてみましたが、評判はそれほど悪くなかったです。一部で、「つまらん!(Boring!)」とか、「ロジャー・ダルトリーの声が全然出てなかった」とか、「ピートのギターがメチャクチャ」とかいったコメントも見受けられますが、まずまずです。

アメリカで大ヒットしたテレビ番組「CSI」で、ザ・フーの曲(「無法の世界」「フー・アー・ユー」「ババ・オライリー」)が使われたのも大きかったかもしれません。「あー、あれこのバンドの曲だったの?」みたいな・・・。

さて、そもそもハーフタイム・ショーに、なんでブルース・スプリングスティーンとかプリンスとか、大物だけどピークを過ぎたアーティストばっかり出るのかなと思ってたんですが、2004年の大問題が原因っていう説があるそうです。

ご記憶かもしれませんが、2004年はジャネット・ジャクソンジャスティン・ティンバーレイクのコンビ。それで、ショーの最後にジャネットが胸を露出してしまったという・・・。故意か事故か白黒ついてませんが、そりゃジャネットのやらせでしょー。これが、全米を揺るがす大騒ぎになりました。「青少年も見るスーパー・ボールで、いったい何を考えておるんじゃ!けしからん!」ということで苦情殺到。アメリカって、こういうところ超保守的なんです。

その保守的な発想で、それ以降の登場アーティストが「枯れた大物」ばかりになっちゃったんじゃないかと。テレビ局も保守的ですからねー。あり得る話だなー。

フーも、もうギター壊さないし、ドラム倒さないし、マイクぶん回さないもんねー。充分、保守的です・・・。

ま、そんなことを想いながら、ザ・フーにひと安心したでんど~でした。


*ザ・フーの代表的アルバムを下にご紹介します。まずはとにかく「Who’s Next」から聴いて下さい。2003年の2枚組「Delux Edition」が音質的にもボーナス・トラック的にも断然おすすめ。

「失われた時を求めて」6巻まで来ました・・・。

2010 年 2 月 7 日 コメント 4 件

e5a4b1e3828fe3828ce3819fe699826第三篇 ゲルマントの方 II」第6巻を読みました。

ふー。

読み終えて衝撃の事実を知りました。「失われた時を求めて」ってのは、全10巻と固く信じ込んでたんですが、なんと13巻だと・・・。たはっ・・・。まだ半分も来てないんだ。。。。

5巻を読んだのが去年の12月17日だから、一冊読むのに2ヶ月弱かかったことになる。ってことをは、残り全部読むのに、え〜と、あと1年と2ヶ月。。。。。。


ふ〜。

分量のことばかり書きましたが、実は、ストーリーの方は相当盛り上がって来ております。

この「ゲルマントの方」。後編に来て、ようやくプルーストが一体何を書こうとしているのか、分かってきた気がします。

とにかく、ほとんど一巻すべてを費やして描かれるのが、「フランス社交界における才気(エスプリ)」。その究極の存在として君臨する「ゲルマント公爵夫人」。その壮大なる空虚。

さらに、プルースト自身の屈折ぶりが明瞭にあらわれる「ユダヤ人」と「同性愛」のテーマ。特に後者については、ますますのっぴきならない気配を秘めながら、次巻へ続きます。

次巻のタイトルは「ソドムとゴモラ」。言うまでもなく、聖書に現れる酒池肉林の街。神の怒りをかって崩壊したという。ということで、物語はいよいよその暗黒の世界へ奥深く入り込んで行くのでしょう。

人間の底知れぬ内面。そのすべての側面を妥協なく書き記すこと。

さらに、プルースト先生に食い下がって行くことにしましょう。。。。っていうか、今さらもう引き返せない・・・。

長旅の道連れ募集中!「失われた時を求めて〈1〉第一篇 スワン家の方へ〈1〉 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)はAmazonで。

ジェフ・ベックさまの新作が出ます!

2010 年 2 月 5 日 コメントはありません

jeff_beck-emotions「最近ますます絶好調」とお伝えしたばかりのジェフ・ベックさまですが、3月に新作「エモーション・アンド・コモーション」が出ます。

スタジオ盤としては、2003年の「Jeff」から7年ぶりですけれど、その間ライヴも2枚出たし、ブルーレイ/DVDも出たしということで、ご無沙汰感は全然ありませんでした。というか、最近、さらに現役感に満ちあふれ、新たな黄金期をむかえている感じさえします。

例えば:

さて、新作は、最近のツアーの定番メンバー、ヴィニー・カリウタタル・ウィルケンフェルド嬢、そしてジェイソン・レベロを従え、ゲストにジョシュ・ストーンらのヴォーカル陣を加えています。さらに、オーケストラでオペラの名曲(プッチーニの『トゥーランドット』!)に挑戦するなど、バラエティーに富んだものとなっているようで、むちゃくちゃ楽しみです。

当然、予約注文しましたので、手に入りしだいレポートします。お待ち下さい。


ジェフ・ベックの新作「エモーション・アンド・コモーション」ご予約はこちらから。


なお、我が愛するアラン・ホールズワースも、久方ぶりに新作ライヴCDを出しましたので、こちらも近々、ご報告します。

アカデミー賞 候補作品発表!

2010 年 2 月 2 日 コメントはありません

01_OscarsPoster_12X17今度はアカデミー賞の候補作品ノミネートです。

最優秀映画賞の候補は、次の10作品。今年から、候補が倍増したんですね:

1 アバター
2 しあわせの隠れ場所(The Blind Side)
3 第9地区(District 9)
4 ハート・ロッカー
5 イングロリアス・バスターズ
6 マイレージ・マイ・ライフ(Up in the Air)
7 アン・エデュケーション
8 プレシャス
9 ア・シリアス・マン
10 カールじいさんの空飛ぶ家 (Up)


でんど〜は、1〜6まで見ました。「ベスト・オブ・でんど〜(映画)」でも書きましたが、一押しは「第9地区(District 9)」。次点は「ハート・ロッカー」で決まりです。

でも、おそらく「アバター」ってことになっちゃうんでしょうねえ。やっぱり・・・。なんせ、9部門ノミネートと圧倒的だし・・・。アバターについては、もうさんざん書いたので、繰り返しません。。。

コーエン兄弟の「ア・シリアス・マン」をまだ見てないってのは、まずいなあ・・・。


さて、次に主演男優賞候補:

・ジェフ・ブリッジズ(クレイジー・ハート)
・ジョージ・クルーニー(マイレージ・マイライフ)
・コリン・ファース(ア・シングル・マン)
・モーガン・フリーマン(Invictus)
・ジェレミー・レナー(ハート・ロッカー)

男優部門は、正直言ってあんまり強力な候補が見当たりません。「ハート・ロッカー」のジェレミー・レナーが受賞したらイイとは思いますが、彼の演技自体はそれほどでも・・・。「マイレージ・マイ・ライフ」で手堅い仕事ぶりを見せてくれたジョージ・クルーニーが、2005年の「シリアナ」の 助演男優賞 に続き、いよいよ主演男優賞ってことになるんでしょうか。


主演女優賞候補は:

・サンドラ・ブロック(しあわせの隠れ場所)
・ヘレン・ミレン(ザ・ラスト・ステーション)
・キャレイ・マリガン(アン・エデュケーション)
・Gabourey Sidibe(プレシャス)
・メリル・ストリープ(ジュリー&ジュリア

これはもうサンドラ・ブロックにあげたいな。とにかく、彼女のここへ来ての活躍振りはすごいものがあります。心温まる「しあわせの隠れ場所」はもちろんですが(必見!)、「プロポーザル」も軽くミリオン・セラー。ヒット続発なんです。コメディも、ちょっとシリアスなのも両方こなせる、本当に「売れる」女優になりました。


さて、注目はこのヒト:

veraヴェラ・ファーミガ(Vera Farmiga)。「マイレージ・マイ・ライフ」で助演女優賞にノミネートされていますが、最近やたら印象的です。「ディパーテッド」とか「エスター」とか。ちょっと影のある、アンニュイな感じのお姉さんを演らせたら、いま一番じゃないでしょうか。はっきり言って好きです。。。

さてさて、アカデミーの本選は3月7日。どんな結果となりますか。

グラミー賞発表!

2010 年 2 月 1 日 コメントはありません

taylor-swift-lady-gaga-2010-grammy-awardsグラミー賞が発表されました。主なところでは:

  • 最優秀楽曲賞:ビヨンセ「シングル・レディース」
  • 最優秀アルバム賞:テイラー・スウィフト「フィアレス」
  • 最優秀R&B・アルバム賞:ビヨンセ「アイアム・・・サーシャ・フィアース」
  • 最優秀レコード賞:キングス・オブ・レオン「ユーズ・サムバディ」
  • 特別賞:マイケル・ジャクソン

ビヨンセは6冠に輝き、女性アーティストとしてはグラミー史上最多というところが、話題でしょうか。

さて、授賞式のテレビを見ていてのでんど~の感想は:

  • まさにビヨンセが現代のポップの女王として君臨している。パフォーマンスも見事だったが、あまりにもパワフルで少々暑苦しい・・・。
  • テイラー・スイフトのあまりの「音痴」ぶりに唖然とした。カラオケで歌ってる、そこらへんの娘にしか見えなかった。尚、一緒に共演させられたフリートウッド・マックスティーヴィー・ニックスの老けぶりにもびっくり。まあ、そりゃそうだ。還暦だし。でも、こんなに若い娘っこのとなりに並べるなんて、残酷なことするなー。
  • ライヴ・パフォーマンスとしてはブラック・アイド・ピーズに感心。ラップとかいうことを超えて、まさに未来のポップ・ミュージックを感じさせた。ファーギー姉さんも出しゃばらず、きちんとバンドの一員になってた。
  • もうひとつ、忘れちゃいけないレディー・ガガ。なんと、サー・エルトン・ジョン様と共演。一歩も引けを取らないダイナミックなパフォーマンスを見せてくれた。奇抜なスタイルが話題の彼女だけれど、根本の歌唱力はしっかりしてるんだ。でなきゃ、ここまで売れるはずないだろーし。

最後に、テレビには出なかったけれど、うれしい受賞がありました。我らがジェフ・ベックさまが「ベスト・ロック・インストゥルメンタル・パフォーマンス」部門で、彼にとって5個目のグラミー受賞です。対象は、「ロニー・スコッツ」のライブにおける「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」。ビートルズをベック流に料理するとこうなるという、彼の最近の定番。老いてなおギターの限界に挑むジェフ・ベック。世間はしっかり見ていてくれました。本当にうれしいです。

以上であります。

サイモン・シンの「宇宙創成」

2010 年 1 月 31 日 コメントはありません

simon-singh最新作「代替医療のトリック」が出たばかりのサイモン・シン。その腕前は、「フェルマーの最終定理」で証明済みです。

で、その新作が届く前に、まだ読んでなかった「宇宙創成」を読みました。

すでに読まれた方も多いと思いますが、これは2006年、「ビッグバン宇宙論」という書名で出版された単行本の文庫化で、原題もずばり「BIG BANG」。つまり、宇宙創成そのものである「ビッグバン」について真正面から取り組んだ本です。

訳者もコメントしていますが、「ビッグバンもの」はもう世の中にあふれているのに、「何で今ごろ?」というのが第一印象。古くはホーキング博士からたくさんあって、一般の間でも「宇宙って、大昔に爆発してできたんだ」ってことだけは、だいたい浸透しています。

そういう感覚でこの「宇宙創成」を読み進めると、最初は確かに戸惑います。大昔にさかのぼり、名前を聞いたこともないような科学者たちの「宇宙の謎」への奮闘の歴史が続きます。

でも、それぞれのエピソードがものすごく興味深いんです。

例えば、異なる学説どおしの「血みどろ」の戦い。宇宙は「大昔から常にあったのか」、あるいは「ある時点からスタートしたのか」。その根本的な問い掛けは、以前は五分五分。というか「常にあった派」が優勢だったこともあったと。まるで「天動説」と「地動説」の対立のようです。

それぞれの学派の「証拠集めへの格闘」がまたすごい。その証拠で、「ビッグバン説」がはっきり証明されたという事実にも正直驚きました。でんど~は、ビッグバンと言っても、それはSFのようなもので、「宇宙の始まりは恐らくそういうもんだろう」程度の概念と思い込んでいたのですが、ここまで厳密な実証の過程を経たものであったとは・・・。

さらに、「世界には始まりがあった」という説は、当然にキリスト教の「創世記」を思い起こすということで、猛烈な宗教論争も避けられません。このへん、客観的学問の極地であるはずの「科学」と、スピリチュアルそのものの「宗教」とが正面から対峙している。日本では考えられない議論のあり方にも想い至りました。

ということで、この本はビッグバンそのものというより、それを題材にして「人類の英知への道のり」を解き明かすことに重点を置いたものなんだ、ということが良く分かります。「科学史」をうんと分かりやすく、万人に提供すると同時に、ニュートンアインシュタインといった誰でも知ってる科学者の光り輝く業績の影に、何十、何百という名も知れぬ科学者たちの「地と汗と涙」が眠っているんだと。

そういう意味で、著者サイモン・シンの力量は、「フェルマーの最終定理」に続き。今回も充分証明されました。

さらに評判の高い「暗号解読」も読まないといけません。「代替医療のトリック」も早く届かないかな。

「宇宙創成 (新潮文庫)」はAmazonでお求めいただけます

最新刊「代替医療のトリック」はこちら


ちょっと衣替えしました。

2010 年 1 月 23 日 コメントはありません

wordpress_logo思いつきでもありますが、デザインとか色々変えました。前のより少し機能が強化されたところもあります。どこがって、色々と・・・。

WordPressは、ほんとに優れもののブログ・ツールですね。

名画ランキング

2010 年 1 月 18 日 コメントはありません

movie_pict各国のメディアが手掛ける、さまざまな「映画のランキング」をご紹介するページを設けました(→こちらからどうぞ)。

皆さんのご参考になるよう、さらに充実して行きたいと思っておりますので、よろしくお願いします。


ゴールデン・グローブ賞発表! 「アバター」席巻。。。

2010 年 1 月 18 日 コメントはありません

golden_globeゴールデングローブ賞が17日発表されました。

主なところでは:

・まず作品賞。ドラマ部門の候補作品についてはこちらに書きましたが、結局「アバター」。監督賞をふくめ2冠です。

・ミュージカル・コメディー部門では「ハングオーバー」。主演女優賞には「ジュリー&ジュリア」のメリル・ストリープ。主演男優賞には「シャーロック・ホームズ」のロバート・ダウニーJr

・ドラマ部門の主演女優賞は「ザ・ブラインド・サイド」のサンドラ・ブロック。主演男優賞には「クレージー・ハート」のジェフ・ブリッジス。助演男優賞に「イングロリアス・バスターズ」のクリストフ・ウォルツ

・アニメ賞と作曲賞の2部門には「Up カールじいさんの空飛ぶ家」。

ということで、ここでも「アバター」が席巻しております。

昨日も、映画館では「アバター」の3-Dを見るために行列ができてました。興行収入も世界で10億ドル突破。2位の「ロード・オブ・ザ・リング(同11億ドル)」を捕らえ、「タイタニック(18億ドル)」が完全に視野に入ってきました。史上最も売れた映画の首位と2位を、ジェームズ・キャメロン監督が占めてしまいそうです。

「アバター」を「ワースト・ムービー・オブ・ザ・イヤー」に認定したでんど〜としましては、感慨もひとしお(?)ですが。もう一度申し上げます。

誰が何て言ったって、「アバター」は認めません!



でんど〜の思いはこちらから