<古典に挑戦シリーズ!>ホメロスの『オデュッセイア』

「古典の名著をなにがなんでも読破」ということで、我ながらあきれるほど熱心にやっているのですが、ここは新年でもあり、さらに壮大に、ホメロスの『オデュッセイア』であります。

2年前の正月にも、ホメロスの『イリアス』を読んだんですね。

で、その際、「正直、ギリシャ神話モノには少々疲れたので、ちょっと違うものに一旦迂回・・・」ということで、早や2年も経ってしまいました・・・。➡️『イリアス』についてはこちら

なので今回、覚悟して読んだのですが、これはびっくり!

ひとことで言って、『オデュッセイア』の方が圧倒的に読みやすいし、おもしろい!

『イリアス』が、トロイア戦争そのものの叙述で、ひたすら「戦いまた戦い」の連続なのに対し、『オデュッセイア』は、あの有名な「トロイの木馬」で戦争を終わらせた立役者「オデュッセウス」が、故郷に帰り着くのに10年もかかってしまった、というその「帰国譚」なんです。

海神ポセイドンの恨みをかったオデュッセウスは、船が難破したり、孤島に閉じ込められたり、なかなか故郷のアカイアに帰れません。一方、その奥方「ペネロペイア」は、留守宅でひたすらご主人の帰宅を待ち続けているのですが、そのあまりの美貌と一家の財産を狙う連中が多数留守宅に押し掛け、「旦那は死んだから俺と結婚させろ」と、勝手に飲み食いしながら居座る、という状況が続いております。

オデュッセウスよ早く帰らないとヤバイぞ、ということで、手に汗握る帰国の果て、いかにこの連中(「求婚者」と呼ばれております)を退治するか、というお話なのですね。

いやはや、はっきり言って、えらい単純なストーリーですわ。こりゃ分かりやすい!

で、そこはギリシャ神話の世界ですから、人間界と神様の世界の境目がハッキリ致しません。というか、何か困ったことがおこると人間たちは生贄(いけにえ)を捧げて神様にお祈りする。それで願いがかなうと実際に神様があらわれてモロに助けてくれる。さらに、神様が人間の娘に手を出して孕ませたり、もうやりたい放題。神様の世界にも派閥があるようで、地上でも天上でも、ゴタゴタが続いております。

その壮大な世界を、もてる知力と体力をふりしぼって困難に立ち向かう歴戦の勇士オデュッセウス!まさに手に汗握る冒険譚。これはもう本当に一気に読み終わりました。

さすがに古めかしい表現や、しつこい繰り返しなどもあり、やや読みにくいのですが、岩波の翻訳もまずまずスッキリとしており、充分楽しめます。紀元前の遥か昔にこのようなスペクタクルを著したホメロス(その実在性に疑問もあるようですが)の天才には、深く思い至りました。

ということで、やはりこれは読んでおくべきなんじゃないでしょうか。

そして、ホメロスでどちらからと言われたら、まちがいなく『オデュッセイア』からとお勧めしておきます!(『イリアス』の後日談なのですが、こちらから読んでも全然問題ないです)

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